本来は親分らが、ばんばん稼いでるヤツから金を取るんじゃなくて、知恵を貸してくれよと頼めばいいんです。俺たちが生き残るためにと、若い衆に対して頭を下げればいいんです。ヤクザの本分の話じゃないんだから、頭を下げても親分の威厳は失われない。
山口組には万を超す組員がいる。その中にはノウハウを持っている人間がいます。組織的に富を蓄えるシステムを考え、それを再配分する。みんなが食えるようになれば、争いもなくなって生き残れると思うんです。そういうことをなぜ考えないのか。もどかしい。
若い衆から金を取るのを止める。具体的には会費を中止するくらいの覚悟で臨まないと、これからの時代、組織の存続は無理だと思う。そもそも子供から金を取る親がいますか?
(文/鈴木智彦)
※週刊ポスト2016年1月1・8日号