スポーツ

箱根駅伝ボランティア 大会愛する心から生まれる数々の活動

 日本の正月の恒例行事となっている箱根駅伝だが、地元の住民にとっては、何にも代えがたい存在となっているようだ。

 小田原中継所から直線距離で約10km、小田原市小八幡ではおよそ10年前、夫婦がふたりだけで応援を始めた。往路4区と復路7区にあたるこの付近はテレビでもあまり映されない“地味な場所”だが、11年にわたって応援を続け、その応援の声は年々大きくなり、妻はボランティア団体を束ねるまでになった。ボランティア団体「箱根駅伝を応援するこやわた会」の代表を務める、高田ひさえさんが言う。

「10年ほど前に夫婦で鎌倉の七里ヶ浜から引っ越してきたんです。家のすぐ前を選手が走るとわかって、引っ越してすぐに友人たちに『どうせお正月に家で飲んでいるのだったら家へ来て、ここで応援しない?』と声をかけたのが会を発足したきっかけです」

 早速、翌年のお正月、家の前で観戦をしていると、国士舘大学のOBが、「家の前にのぼり旗を立てさせてくれないか」と依頼してきた。高田さんは快諾し、それをヒントに夫の母校である東海大学に連絡。翌年には、国士舘の隣に東海大学ののぼり旗が並んだ。

「他にも、こんなふうに協力してもらえるところがあるんじゃないか」──そう考えた高田さん夫婦は、各大学に連絡をとり始める。

「日本大学さんとか出場されているいろいろな大学に連絡して、“のぼり旗を立てさせてくれませんか”ってお願いしたんです。もちろん、お借りしたものなので、駅伝が終われば大学にお返しします。返すときに、家の前を通る選手の映像を収めたDVDや、写真に手紙を添えました。そんなことを繰り返していたら、“旗は返さなくていい、保管しておいて”と言ってくださるようになったんです」(高田さん)

 高田さんたちの活動費は、約20人のボランティア部員から徴収する部費で成り立っている。年に4回、定例会と称して集まる飲み会で3000円ずつ集め、飲み会代を安くあげて貯金したお金が活動資金になる。不足分は、会員の持ち出し、また箱根駅伝の時に集める3万~4万円の募金も大きな収入源だ。そんな“手弁当”で活動している高田さんたちにとって、返送料がかからなくなったのはありがたいことだったようだ。

 高田さんが送った写真やDVDを見て「うちの子が走っている姿が見られた」と、感謝の手紙をもらったこともある。

「ある年、駒澤大学の大八木(弘明)監督が、中継車を降りて、うちの前で選手に給水したことがありました。選手もちょっとびっくりしてましたが、テレビ中継がほとんどないこの場所を映してくれるようにしてくれたのかなぁと思います」(高田さん)

トピックス

長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
古谷敏氏(左)と藤岡弘、氏による二大ヒーロー夢の初対談
【二大ヒーロー夢の初対談】60周年ウルトラマン&55周年仮面ライダー、古谷敏と藤岡弘、が明かす秘話 「それぞれの生みの親が僕たちへ語りかけてくれた言葉が、ここまで導いてくれた」
週刊ポスト
小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン