●両組織をめぐる出来事
2011年5月2日 ビン・ラディンが潜伏していたパキスタンの隠れ家を米軍特殊部隊が急襲し殺害
2013年5月 アル・カイダ指導者のアイマン・ザワヒリがISIS(のちのIS)に対し解散を命じる
2014年2月 アル・カイダはISIS(のちのIS)とは無関係とネットで声明。アルカイダとISは決裂
ISの名称と表記については変遷のたびに議論がある。
2014年6月に「IS(イスラム国)」と自称するようになった過激派組織は、過去にしばしば改名してきたため、日本の報道では名称が統一されず、現在はようやく「IS」という呼称が定着しつつある。しかし、その注釈として「イスラム国」という表現が追加されているため、過激派組織の名称が「イスラム教の国」と誤解されやすい。
2013年4月に「イラクとシャーム(レバント)のイスラム国(ISIS、ISIL)と名称変更して以降、アラブ世界ではアラビア語の頭文字をとった「ダーイシュ」という略語が一般化され、欧米のメディアも英語的な綴りにしたDAESHと表記するようになってきている。「ダーイシュ」という発音は「裏切り者(ダーヒス)」などを連想させるといわれ、今後、日本でもISではなく「ダーイシュ」を「アル・カイダ」と同じように定着させ、一般化すべきである。
※SAPIO2016年2月号