コラム

ドイツのリスクが明らかになればユーロ/円はパニック売りに

 ドル/円の為替であれば、なんとなく「2ケタになると円高」といった感覚を持つ人も多いだろうが、ユーロ/円についてはそこまでの実感を持つ人はそれほどいないのでは? 30年以上の経験を持つ為替のスペシャリストで、バーニャマーケットフォーカスト代表の水上紀行氏が今後のユーロ/円の相場展開について解説する。

 * * *
 ユーロ/円は、ユーロ/ドルとドル/円を掛け合わせた通貨ペアです。 ユーロ/ドルは当面1.0000、さらに0.9000を目指すと予想しています。

 一方、ドル/円は、110円を目指すと予想しています。たとえば、ユーロ/ドルが1.0000、ドル/円が110円になったとしても、ユーロ/円はこれらの掛け算ですから、110円まで下落することを意味します。つまり、ユーロ/円は大幅に下落する可能性があります。 

 今一番懸念していることは、ドル/円が2012年から50円弱上昇したわけですが、この時、ユーロ/円も約55円上昇しています。しかし、ドル/円とユーロ円の決定的な違いは、ドル/円は実需取引が中心なのに対して、ユーロ/円は投機が中心です。

 そして、実需中心のドル/円で投機ポジションは限られるのに対して、ユーロ/円は投機のポジションがまだ大きく残っている可能性が高いということです。

 これでドイツ銀行の巨額債務やフォルクワーゲンの不正問題などドイツ発のリスクが明らかになった時、ユーロ/円は、マーケットから逃避しようとするパニック売り(リスク回避の円買い)に見舞われることになると思います。

 ユーロ/ドルが1.0000を割り込みさらに0.9000を目指すなら、ユーロ/円はさらに100円を目指す可能性があります。

 ドイツ人の友人がつぶやいた「この冬は、いつになく寒くなりそうだ」と言った言葉が、重く心に残ります。

※マネーポスト2016年新春号

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