中川:そこにシリアのアサドなんかはどう関わってくるんですか?
勝谷:まず、シリアっていう国は日本で言ったら兵庫県くらいの大きさなのかな? もうちょっと大きいかな? でも、そんな小さな国にロシアとアメリカの両方の飛行機が入ってきている。EU、フランス、トルコの飛行機も入ってきている。つまり、今のシリアは、いつどこで偶発的な事故が起きてもおかしくない状態なんだよ。
中川:はい。すごく危ないところですね。
勝谷:そんなシリアで、アサド政権がセンターをとっている。これがなぜつぶれないのか不思議なんだけども、その理由はロシアが応援しているからなんだよ。ロシアとしては、地中海に出るための港として、どうしてもシリアをおさえておきたいわけだ。
中川:なるほど。
勝谷:そしてシリア国内にはイスラム国の勢力があって、さらにヌスラ戦線なんかのその他のアルカイダ系反政府組織もある。で、そういった組織にいろんな国が援助をしているわけだ。たとえば、イスラム国はトルコと親しいとされているよね。
中川:そこがいろいろな面でカギとなっているんでしょうね。
勝谷:イスラム国の資金源は、あのあたりの油田から出た原油なんだけど、それを当然売らなければならない。そこで裏ルートになっているのがトルコなんですよ。つまり、トルコはイスラム国を陰から支えているわけだ。さらに、トルコとロシアっていうのは、オスマン・トルコ帝国とロシア帝国のころから敵対関係にあって、当然ロシアはイスラム国を支える今のトルコも許さない。だから、ロシアは原油を運んでいるトルコの車列を攻撃した。
中川:そういった背景もあっての襲撃だったんですね。
勝谷:この状況にアメリカやEUがどう関与していくかってところなんだけども、ここで難しいのはトルコがNATO加盟国だということなんだよ。つまり。アメリカやEUはトルコをかばわざるをえない。でも、アメリカやEUがトルコをかばうと、プーチンは「キーッ!」って怒ってしまう。
中川:各勢力の動きにはいろいろ理由があるわけですね。
勝谷:日本の新聞ではあんまり報じられないことだよね。だから、こういうことを知りたい人は、僕の有料配信日記『勝谷誠彦の××な日々。』を購読してください(笑い)。