国内

戦犯逃れた石原莞爾再評価に異論「満州事変は彼が起こした」

 どんな世界に身を置いていても、大なり小なりケンカは起こるもの。旧日本軍の軍人同士にもケンカはあった。太平洋戦争開戦時には内閣総理大臣となる東條英機と、帝国陸軍の異端児と呼ばれた石原莞爾・元陸軍中将である。

 満州事変を成功させた後、満州を独立国として「五族協和」を目指した石原を、拡大論・強硬論の東條は相手にしなかった。理想主義的な石原の構想を東條は非現実的だと一蹴する。

 気性の激しい石原は東條と真っ向対立。「東條上等兵」と呼んで馬鹿呼ばわりするなど上官を上官と思わぬ態度をとり続けた。結局、両者の対立は東京裁判に至るまで解消することはなかった。帝京大学の筒井清忠・文学部教授は言う。

「戦後、東條との確執について尋ねられた石原はこうも言い放つんです。『そんなことはない』『東條には思想も意見もない。私は若干の意見をもっていた。意見のない者と、意見の対立はない』と」

 戦後、戦犯指名を免れた石原をいまでは英雄視する向きもあるが、筒井教授はこうした見方に異を唱える。

「石原は“近代西洋文明によって人間は毒されている”という農本主義の思想が強く、それが満州における協調路線にも結びついた。これは現代のエコや反原発の思想にも繋がりやすく、再評価の気運もあるようだが、元はといえば満州事変を引き起こしたのは石原。どちらかが善・悪ということではない」(筒井氏)

※SAPIO2016年2月号

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン