芸能

『相棒』の視聴率低迷 「反町戦犯説」は本当か 

反町隆史が『相棒』低迷の”戦犯”という声もあるが…

 水谷豊(63)主演『相棒 season14』(テレビ朝日系)が思うように視聴率が伸びていない。現在放送中のシーズンは新相棒に反町隆史(42)を迎え、初回18.4%と上々のスタートを切ったものの、2話以降それを超えることはできず、昨年12月9日放送の第8話では2007年のseason6以来、8年ぶりに12%台を記録。元日スペシャルの第10話では16.7%と盛り返したが、1月13日の第11話では12.6%と今シーズン最低を記録している。その後13.7%、15.3%、14.6%とやや持ち直したものの、昨年3月まで放送されたseason13の平均視聴率17.4%と比べると低迷ぶりは明らか。一部メディアからは「反町が原因ではないか」という声もチラホラ…。果たして「反町戦犯説」は本当なのか。

 ドラマ評論家の成馬零一さんはこう語る。

「最近はNHKの朝ドラ以外は数字が取れなくなってきているので、私はそんなに悪くない数字だと思っています。ただ、全盛期と比べて、観ていてドキっとすることが少なくなった印象はあります。それはドラマ全体的なことで、反町さんどうこうという話ではありません。

 このドラマにはもともと二つの軸があり、その両方が見どころとなっていました。一つは、一話完結のミステリーものとしての完成度の高さ。もう一つは、シリーズを通して長期的に描かれる警察組織の内部の闘いです。今この軸の片方がぶれているように感じられます」(成馬零一さん、以下「」内同)

 一つ目の軸、一話完結のミステリーものとしての完成度は脚本次第だろう。現に、視聴率の低下は脚本に原因があるという声もある。

「『リーガル・ハイ』などでも知られる古沢良太さん、『科捜研の女』シリーズなどでも知られる櫻井武晴さんが、season12を最後に『相棒』の脚本から離れています。この二人はメーンの脚本家として活躍していたため、今の脚本への指摘が増えているのかもしれませんが、1話ごとの脚本の質が低下しているということはないと思います。

 元々、相棒は複数の脚本家を起用することで、一話完結の刑事ドラマとして高い水準を保ってきました。その傾向は今も続いていると思います。

 それよりも気になるのは、シリーズを長い目で見たときに、警察内部の闘いというものが薄くなっているという点です。水谷さん演じる杉下右京が強くなりすぎてしまい、警察内部にライバルがいなくなった。昔の『相棒』のような緊張感がないのはそのせいでしょう。

 そこで反町さん演じる冠城亘というキャラクターが入ってきたわけですが、与えられている役割がやや中途半端。『相棒』の世界をもっと壊してもらっていいんじゃないかと思います。『水戸黄門』のようにわかりやすいドラマにするのか、先の読めないドラマにするのか。今は人間模様を描くドラマとしての方向性を模索している段階だと思います」

 ファンを満足させるには、1話完結ものとしての面白さだけでなく、長期的な見どころも用意しておく必要がありそうだ。それとは別に、成馬さんにはもう一つ、引っかかることがあるという。

「最近の『相棒』は“映像美”に凝りすぎているような気がします。照明の使い方などもまるで映画のよう。それが観ていてちょっと疲れるというか、『相棒』に求めているのはそこではないんですよね。テレビ朝日のドラマは、シナリオと役者さんの演技がしっかりしているのが昔からの伝統なんですが、最近の作品は映像が綺麗すぎて鑑賞の邪魔になっているような気がします。『科捜研の女』シリーズくらいの映像で十分なので、テレ朝の刑事ドラマは、気楽に観てみたいというのが、いち視聴者としての希望です」

 映像レベルが高くなっている分、これまで気にならなかった粗に目がとまってしまうということもあるかもしれない。求められるレベルが上がるなか、シーズン後半の巻き返しはあるか?

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段通りの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
《名誉毀損で異例逮捕》NHK党・立花孝志容疑者は「NHKをぶっ壊す」で政界進出後、なぜ“デマゴーグ”となったのか?臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
昨年8月末にフジテレビを退社した元アナウンサーの渡邊渚さん
「今この瞬間を感じる」──PTSDを乗り越えた渡邊渚さんが綴る「ひたむきに刺し子」の効果
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
「秋らしいブラウンコーデも素敵」皇后雅子さま、ワントーンコーデに取り入れたのは30年以上ご愛用の「フェラガモのバッグ」
NEWSポストセブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人》大分県警が八田與一容疑者を「海底ゴミ引き揚げ」 で“徹底捜査”か、漁港関係者が話す”手がかり発見の可能性”「過去に骨が見つかったのは1回」
愛子さま(撮影/JMPA)
愛子さま、母校の学園祭に“秋の休日スタイル”で参加 出店でカリカリチーズ棒を購入、ラップバトルもご観覧 リラックスされたご様子でリフレッシュタイムを満喫 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、筑波大学の学園祭を満喫 ご学友と会場を回り、写真撮影の依頼にも快く応対 深い時間までファミレスでおしゃべりに興じ、自転車で颯爽と帰宅 
女性セブン
クマによる被害が相次いでいる(getty images/「クマダス」より)
「胃の内容物の多くは人肉だった」「(遺体に)餌として喰われた痕跡が確認」十和利山熊襲撃事件、人間の味を覚えた“複数”のツキノワグマが起こした惨劇《本州最悪の被害》
NEWSポストセブン
近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン