国内

浅草のボランティアガイド 英語での説明が好評

 日本を訪れる外国人旅行客(インバウンド)が2013年に1000万人を突破、年々その数は増え続けている。数ある日本の観光地の中でも、外国人に人気が高い場所の一つが東京・浅草だ。

 春の陽気となった2月下旬の日曜日、浅草を拠点にするボランティアガイドグループ、東京SGGクラブに所属する主婦・大石恵さん(55才)の姿が浅草寺にあった。ガイドをすること6年目。これまで100組以上の外国人のガイドを務めてきた。

「英語圏以外の外国人のかたに、ガイドブックやマニュアルの英語だと理解してもらえなかった言葉を、私がわかりやすい英語に置き換えて説明すると、『なるほど!』と理解してもらえることがあります。その瞬間は本当にうれしいですね」

 そう語る大石さんがこの日、ゲストに迎えたのはハワイから来た老夫婦と、アメリカ本土から来た若い女性の計3人。人ごみの中、はぐれないよう3人を頻繁に振り返っては、

「Please follow me!」(私についてきてください)

 と笑顔で呼びかける大石さん。高齢で右耳が聞こえにくい人には、左耳のほうからゆっくりと話しかけるなどの細かい配慮はもちろん、ユーモアも忘れない。

 吾妻橋では、アサヒビールの金の炎のオブジェを指し、クイズ形式で「これは何と呼ばれていると思う?」と質問。首をかしげるゲストに、

「Its nickname is a golden turd」(このビルは“うんこビル”と言われています)

 と教えて、笑わせる。こんなふうにゲストとの距離を一気に縮めるジョークもお手の物。すっかり彼らは大石さんに打ち解けていた。

 午前11時に浅草駅前の浅草文化観光センターから出発し、吾妻橋、雷門、仲見世通りを経て、浅草のシンボルである浅草寺でお詣り。そして浅草寺の隣の浅草神社を見てから解散、という2時間コースを巡る。

 面白いのは、外国人への説明のユニークさ。1880年創業の日本初のバーとして知られる「神谷バー」。その名物といえば「デンキブラン」だが、大石さんはデンキブランについて、「Electric Brandy, having 40% alcohol content, it will give you an electric shock!」と説明した。

 人形焼きの実演は「how to make a doll shaped sponge cake」。決して難しい単語を使わず簡潔に表現しようと心がけていることが窺えた。

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