芸能

『あさが来た』かつら担当チーフ プロの流儀を語る

『あさが来た』でかつらを担当する西口富美子さん

 NHK連続テレビ小説『あさが来た』の視聴率が好調だが、演者の功績はもちろんのこと、そこには裏方さんたちのキラリと光る活躍がある。

 役者がかぶるかつらを担当する「かつら部」には、俳優の頭の形に合わせたかつらを作る仕事と、かつらを結い上げて俳優に被せる仕事がある。かつらチーフ・西口富美子さん(元禄フィルム)の仕事は、後者だ。西口さんがこだわりの仕事ぶりを語る。

 * * *
 櫛は20本くらい持っていて、結い方によって使い分けています。時代考証に合わせて髪を結うだけにはしていません。

 もちろん、文献を読んで、その当時の最低限守らなければいけない様式は守っています。私は、「かつらはその人となりを表す大切な体の一部」だと思っています。

 例えば、山王寺屋のお菊さん(萬田久子)の髪は、大きな丸髷です。大きすぎると笑われることもありますが、家が没落してもそのままにしています。髪飾りはなくなって少々髪が乱れても、それでも丸髷を保っている。これは、「いつかきっと山王寺屋を立て直す」と考えているお菊さんのプライドそのものなんです。

 また、はつ(宮崎あおい)が使っているかんざしは、かつて母の梨江さん(寺島しのぶ)が使っていたものを受け継いで形見にした設定です。結納など大切な節目のときにだけ使おうかどうか悩んでいて、宮崎さんに相談したんです。

 そしたら宮崎さんから「いつもお母さんを感じていたい」と言われたので、普段使いするようにしました。そうした細かいところに気がついていただけると、“かつら冥利”に尽きます。

 ちなみに、男性のかつらはすっぽり被る物が多い。新次郎さん(玉木宏)のような場合、かつらと地肌の境目をわからなくするのも私たちの仕事です。そこには、特殊な技法を取り入れています。具体的にどうやるかは企業秘密です。

 新次郎さんは、髪も色っぽく見えるように作っています。首の長い男性の場合、襟足の髱(つと)という部分を長くすると、色気が出るんです。

※女性セブン2016年3月17日号

関連記事

トピックス

STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
大谷翔平に“口裏合わせ”懇願で水原一平容疑者への同情論は消滅 それでもくすぶるネットの「大谷批判」の根拠
NEWSポストセブン
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
女性セブン
宗田理先生
《『ぼくらの七日間戦争』宗田理さん95歳死去》10日前、最期のインタビューで語っていたこと「戦争反対」の信念
NEWSポストセブン
焼損遺体遺棄を受けて、栃木県警の捜査一課が捜査を進めている
「両手には結束バンド、顔には粘着テープが……」「電波も届かない山奥」栃木県・全身焼損死体遺棄 第一発見者は「マネキンのようなものが燃えている」
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
(写真/時事通信フォト)
大谷翔平はプライベートな通信記録まで捜査当局に調べられたか 水原一平容疑者の“あまりにも罪深い”裏切り行為
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
眞子さんと小室氏の今後は(写真は3月、22時を回る頃の2人)
小室圭さん・眞子さん夫妻、新居は“1LDK・40平米”の慎ましさ かつて暮らした秋篠宮邸との激しいギャップ「周囲に相談して決めたとは思えない」の声
女性セブン
いなば食品の社長(時事通信フォト)
いなば食品の入社辞退者が明かした「お詫びの品」はツナ缶 会社は「ボロ家ハラスメント」報道に反論 “給料3万減った”は「事実誤認」 
NEWSポストセブン