ビジネス

高利回り個人向け社債 人気銘柄購入の手っ取り早いコツ

 個人向け社債の2015年末の国内発行残高は約6兆9000億円と、過去最高額に達した。マイナス金利の今、「預金や国債の金利では物足りない」と考える個人と、資金を集めたい企業との思惑がマッチし、ますます注目が集まっている。

 個人向け社債は各証券会社を通して購入することになる。販売期間は1~2週間ほどと短く、人気の社債はすぐに売り切れる。だが、社債を発行している企業の多くが定期的に発行しており、売り出しのタイミングをチェックしておけば人気銘柄でも購入できる可能性が高まる。ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏がコツを伝授する。

「手っ取り早いのは、証券会社の大手各社に口座を作り、担当営業マンに“新発債券が出たらすぐに教えてください”と頼んでおくことです。社債を扱う証券会社は野村證券、大和証券、みずほ証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の5社でほぼ寡占状態なので、すべてに口座を開設するとしてもそれほど労力はかからない。口座を作るだけならタダです」

 初めて個人向け社債を購入する場合は新規に発行される「新発債券」ではなく、「既発債券」からスタートするのも一つの手だ。既発債券とは証券会社が持つ“社債の在庫”であり、主に転売されたもの。満期までの期間が短くなっている分、販売当初より価格が上乗せされている。

「新発債券はいつ発行されるか分からないし、魅力的な社債の情報は証券会社と付き合いの長い顧客に先に行って売り切れてしまうこともある。しかし既発債券であれば、毎日何かしらの社債が売られています」(深野氏)

 社債を選ぶ際の判断基準として重宝されるのが格付け会社による格付け。だが深野氏は「格付けを過信しないように」と語る。

「格付け会社によって異なりますが、上からA、B、Cの順で、AAAなどアルファベットが増えるほどランクが上がる。一般的にBBB以上は“投資適格債券”とされていて、安全性を計る上での境界線といえます。格付け会社には日本格付研究所(JCR)や格付投資情報センター(R&I)といった日本の会社と、スタンダード&プアーズ(S&P)などのアメリカの会社があり、日本は評価が緩く、アメリカは厳しいという特徴があります。

 ただ、日本ではBB以下の新発債券が発行されることはありません。また、格付けは発行後に見直されることもありますので注意が必要です」(深野氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン