スポーツ

角居勝彦調教師 ペリエ騎乗から欧州の手綱さばきに着目

 阪神の内回り、芝3000メートルは年にこのレース1回のみ。1着に天皇賞の優先出走権が与えられるが、それ以上に味わいのあるレースだ。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、阪神大賞典では3着に終わったものの、ヨーロッパの騎手の手綱さばきに着目するきっかけとなった馬、ポップロックについて語った。

 * * *
 なんとも妙味のあるコースです。しかし角居厩舎では2、3着が多くて一度も勝っていない(笑い)。それでも好きなレース。天皇賞の前哨戦だけとはいえない、奥行きがある。

 6つのコーナーがあり、立ち回りの器用さが必要で、上がり勝負が基本。しかし直線が短いために、長距離戦としてはペースが早くなりがちです。勝ち切るには絶対的スタミナが不可欠、むしろ天皇賞よりも長距離適性が問われるところもある。

 名勝負が多いのも特徴でしょうか。古くは1996年のナリタブライアンとマヤノトップガンのマッチレース。2012年のオルフェーヴルの大逸走なども印象的でしたが、昨年もいい競馬でした。

 ゴールドシップに貫禄の3連覇を許したものの、2着のデニムアンドルビーは1馬身4分の1差。道中、長く並走し、先に出られてもぴったりマーク。7番人気ながらしぶとく食い下がりました。

 そんな中で、思い出すのは2008年のポップロックです。スタートから道中を3番手で我慢して、直線のキレを狙った。しかし迫り切れずに3着でした(1着アドマイヤジュピタ、2着アイポッパー)。最後のコーナーまでじっとタメて、一気に突き抜ける。そんな競馬ができる馬です。

 ポップロックは開業当初から預かり、ずっと厩舎を見守ってくれた馬でした。凱旋門賞などGI5勝のエリシオ産駒。強い競馬ができる血統で、いつかはヨーロッパで戦いたい私の思いにすっと寄り添った。それで、デルタブルース、ハットトリックの調教を担当した調教助手に任せました。

 GI勝ちはなかったものの2006年と2007年の目黒記念(2500メートル)を連覇。また2006年のメルボルンカップではデルタブルースの2着に入り、角居厩舎はワン・ツーフィニッシュという快挙を成し遂げることができたのです。

関連キーワード

トピックス

初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン