「本当は嫌なのですが、子供の幼稚園のママ友たちとファミレスでランチの時、『ちょっとちょうだい』と言われて、『え~、ヤダ~』と軽い気持ちで断ったところ、その場がシーンと静まり返りました。その後の人間関係がかなり気まずくなり、それからは、『どう、一口食べてみたい?』と先に聞くようにしています」
賛否分かれる「一口ちょうだい」。マナー的にはどうなのだろう。心理カウンセラーの資格を持つマナー講師の山田響子さんは「少しでも不快に感じる人がいる以上、マナー違反になる」と話す。
「食べかけの品が相手の口に入るだけに抵抗を感じる人も多い。とくに『一口ちょうだい』は相手が『嫌です』と断りにくいので、お願いするほうがマナー的に注意する必要があります。たとえば『これ、おいしいから食べる?』と相手に聞いてみて、遠慮なく口に入れたら、『一口ちょうだい』にも抵抗がない人だと考えられます。こうして相手との距離を測り、反応が悪ければやめておくのが無難です」(山田さん)
この“禁断のフレーズ”は男性より女性のほうが使うことが多いという。
「女性は他人の品がよく見えて1つに選びきれず、女友達と料理をシェアすることも多い。一方で男性はこの言葉に慣れておらず、女性に『一口ちょうだい』と言われると、“自分に気があるのかも”とドキッとすることもあるんです」(山田さん)
この言葉通り、「一口ちょうだい」は相手との距離感をぐっと縮めるマジックワードでもあるのだ。
「『一口ちょうだい』は相手に甘える行動であり、相手に心を許しているサイン。相手と近づきたかったら、あえて使ってみるのも手です。もっとも、相手がより一層、不快になることもありますけどね(苦笑)」(山田さん)
なお、相手から求められて、どうしても嫌だったら「私そういうの苦手だから、ゴメンね~」と明るくあっさり断るといいのだとか。
※女性セブン2016年4月14日号