芸能

77才で結婚した内海桂子「ひとり暮らしもさみしくなかった」

<断捨離が流行り、終活という言葉が世を席巻しているが、その前に、今、このときをより豊かに暮らしたいと望む女性がいて、愛情も物質も地位も名誉もほしがったとしても、誰が非難出来るだろうか>。ノンフィクション作家・工藤美代子さんは、話題の新著『後妻白書 幸せをさがす女たち』で「後妻という生き方」を選んだ女性たちに、そうエールを送った。翻って私たちは、来たる老後にどんなイメージを持っているだろう。ただ楽観するのでも、ましてや悲観するのでもなく、不確定要素が多いことを覚悟しながら、それでも上を向いて、明るく幸せな未来を描きたい。漫才師の内海桂子さん(93才)が、自身の幸せな夫婦の姿を語る。

 * * *
 77才のとき、今のマネジャーである亭主と結婚しました。戸籍上では初婚です。あの人はアメリカの航空会社で働いていたので、海を越えて300通も手紙をくれ、最後の手紙に「結婚してください」と書いてあったんです。

 それまでの私はひとり暮らしでしたが、ちっともさみしくはなかった。働いていたから。

 お酒を注ぐ、三味線を弾く。それって、ひとりじゃないでしょ? もしあの人と出会ってなくても、そういう毎日だったし、そもそも私をひとりで置いておく男はいなかったでしょう。大昔、「私、お妾さんなんじゃないかしら」と思う関係の人もいました。でもね、本当のお妾さんになったことはないんですよ。男の人にお金やモノを与えてもらったことが一度もないの。この家だって、自分で稼いだ金で建てたんですよ。だから、結婚してもしなくてもどっちでもよかったんです。成り行きで今の形になっただけ。

 でもまあ、ふたりでいるといいこともありますよ。テレビを見ていて、英語が出てきたら「あれ何て言ってるの?」「これこれしかじか」と教えてくれる人がいる。朝起きたらご飯ができていて、冷めないようにとタッパーに入れてタオルをかけて、こたつの中に入っている。まあ、あの人はマネジャーとしてこの家に入ったわけだから、身の回りのこともしてくれるわけですが、それでもこの年でこんな生活ができるとは思っていませんでしたね。

 私ももう94才。何が幸せってわけじゃないけれど、あれがいるから、いろんなこと考えなくてもいいんでしょうね。

※女性セブン2016年4月21日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

維新はどう対応するのか(左から藤田文武・日本維新の会共同代表、吉村洋文・大阪府知事/時事通信フォト)
《政治責任の行方は》維新の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 遠藤事務所は「適正に対応している」とするも維新は「自発的でないなら問題と言える」の見解
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン
パーキンソン病であることを公表した美川憲一
《美川憲一が車イスから自ら降り立ち…》12月の復帰ステージは完売、「洞不全症候群」「パーキンソン病」で活動休止中も復帰コンサートに懸ける“特別な想い”【ファンは復帰を待望】 
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
《自維連立のキーマンに重大疑惑》維新国対委員長の遠藤敬・首相補佐官に秘書給与800万円還流疑惑 元秘書の証言「振り込まれた給料の中から寄付する形だった」「いま考えるとどこかおかしい」
週刊ポスト
「交際関係とコーチ契約を解消する」と発表した都玲華(Getty Images)
女子ゴルフ・都玲華、30歳差コーチとの“禁断愛”に両親は複雑な思いか “さくらパパ”横峯良郎氏は「痛いほどわかる」「娘がこんなことになったらと考えると…」
週刊ポスト
話題を呼んだ「金ピカ辰己」(時事通信フォト)
《オファーが来ない…楽天・辰己涼介の厳しいFA戦線》他球団が二の足を踏む「球場外の立ち振る舞い」「海外志向」 YouTuber妻は献身サポート
NEWSポストセブン
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
《高市首相の”台湾有事発言”で続く緊張》中国なしでも日本はやっていける? 元家電メーカー技術者「中国製なしなんて無理」「そもそも日本人が日本製を追いつめた」
NEWSポストセブン
海外セレブも愛用するアスレジャースタイル(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
「誰もが持っているものだから恥ずかしいとか思いません」日本の学生にも普及する“カタチが丸わかり”なアスレジャー オフィスでは? マナー講師が注意喚起「職種やTPOに合わせて」
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「旧統一教会から返金され30歳から毎月13万円を受け取り」「SNSの『お金配ります』投稿に応募…」山上徹也被告の“経済状況のリアル”【安倍元首相・銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《バリ島でへそ出しトップスで若者と密着》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)が現地警察に拘束されていた【海外メディアが一斉に報じる】
NEWSポストセブン
大谷が語った「遠征に行きたくない」の真意とは
《真美子さんとのリラックス空間》大谷翔平が「遠征に行きたくない」と語る“自宅の心地よさ”…外食はほとんどせず、自宅で節目に味わっていた「和の味覚」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新の首相補佐官に「秘書給与ピンハネ」疑惑ほか
NEWSポストセブン