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樋口恵子「老後に持つべきは1人の親友より女友達グループ」

 年老いることで変化してくるのが夫婦関係。定年後、夫が豹変し、夫婦関係に亀裂が生じることもある。そこで、老後の夫婦関係について、評論家の樋口恵子さん(83才)がアドバイスをする。

 * * *
 定年後、夫はあなたの前で、思いがけない変化を遂げるはずです。だって、今まで顔を突き合わせていたのが夜と休日くらいだったのが、毎日になるんですよ。職場で見せていた嫌な部分を含めて、丸ごと見ることになるわけです。

 それはつまり、ケチな夫はますますケチになり、口うるさい夫はますます口うるさくなり、だらしない夫はますますだらしなくなるということ。よくあるのが、「夫の姑化」。それまで無関心だったのに定年後いきなり冷蔵庫整理を始め、「何でミツカン酢が3本もあるんですか?」などと、家事の細かいことに口を出すんです。もう1つが、どこにでも「ママ、ママ」とついてきたがる「お子ちゃま化」。こっちは女友達と気兼ねなく話したいのについてこられたら迷惑ですよね。

 でも、今あげた程度のことなら、何も別れなくてもいいんじゃないかしら。「お留守番しておいてよ」などと夫育てをしていけばいいんです。この年になると、別れて得になることは非常に少ないですから。もちろん、浮気やDVとなると、話は別ですよ。

 万一、独り身になったら? いざとなったら助けてくれるのは、友達です。私も77才で大病した時、多くの友達が助けてくれました。夫は他界しているし、同居している娘は仕事で忙しい。そこで1か月の入院期間を含め、動けないでいる4か月くらい、女友達が代わる代わる面倒を見にきてくれたんです。持つべきは1人の親友より多くの女友達グループだと痛感しましたね。

 その時、1人が忙しくても、他の友達は手が空いているかもしれない。相手にとっては負担の分担であり、こちらにとってはリスクの分散なわけです。もちろん時間を使ってもらったわけだから交通費プラスαくらいのことはします。

 長く友達でいると、腸の煮えくり返る出来事もあるでしょう。でもそこで感情をぶつけてはおしまい。意外と、こちらがカッカしているだけで相手は他意がなかったりするもの。何事もなかったような顔して接すればいいのよ。私も随分のみ込んできましたよ。面白いことに、窮地を救ってくれた友人たちは、そういう相手だったりするんです。

※女性セブン2016年4月21日号

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