実は『めざましどようび』には、この春、フリーの著名演出家が加わった。「いいともを終わらせた男」こと、元・日本テレビの村上和彦氏だ。
“カトパンロス”で数字がやや落ちているとはいえ、平日はまだまだ王者として君臨している“めざまし”だが、土曜日に限っては、日本テレビ系『ズームイン!!サタデー』に連敗中。そこでフジテレビが迎え入れたのが件の村上氏だったのだ。
氏がなぜ「いいともを終わらせた男」と言われているかというと、日テレ時代に立ち上げた『ヒルナンデス!』がジワジワと若い主婦層に受け入れられ、(理由はそれだけではないが)結果、『笑っていいとも!』が終了したからだ。
そんな彼のことをフジテレビはよく思っていないのかと思いきや、逆だったようだ。斬新なアイディアと、独特すぎる目線で、他の演出家とは一線を画した番組で次々クリーンヒットを打っていた村上氏の評判はフジテレビにもダイレクトに届いたらしい。
その村上氏の“初仕事”というべきものが、めざまし君のさらなる活用だと私は見ている。
『ヒルナンデス!』のキャラクター、「フェルナンデスくん」の原案は村上氏。『中井正広のブラックバラエティ』の「タンジェント君」「クレッシェンド君」も村上氏の仕業だ。
それよりもさらに前、私は『WIN』という番組で村上氏と仕事をしていた。そのとき番組キャラクターとして人気を博し、グッズのぬいぐるみが売れに売れたのが「なんですとWINちゃん」だった。
誕生した経緯は、深夜番組で予算もないのに「海外の女性トレンド情報も入れるように…」という上からのお達しに、「リポーターを行かせる予算はないけれど、ディレクターがぬいぐるみを持参するならタダ」だから。しかもWINちゃんは、スタッフが『キディランド』の“ぬいぐるみ売場”で見つけてきた黄色いアヒルに番組のロゴを付けるという、20年前ならではの、ある意味、ほのぼのとした誕生だった。
が、人気ナレーターの垂木勉さんがアテレコをしたところ、WINちゃんは大人気キャラクターに。その後、番組オリジナルのTシャツを身につけた「なんですとWINちゃん」は、毎週末、「日テレショップ」に大行列をつくらせるほどの人気キャラクターに育っていった。