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「つるピカハゲ丸くん」の作者が描くコロコロ創刊伝説

【マンガ紹介】『コロコロ創刊伝説』のむらしんぼ/小学館/630円

『ゲームセンターあらし』『ゴリポン君』『ハムサラダくん』…ピンと来たかた、いらっしゃいますか? 児童向けマンガ雑誌「コロコロコミック」初期の名作たちです。創刊号(1977年)から「コロコロ」を買っていた私としては、タイトルを並べるだけでも涙が出るわけですが…「セブン」読者の皆様には古すぎたかも? では1994年まで連載が続いた、のむらしんぼ『つるピカハゲ丸』ならどうだ!!

『コロコロ創刊伝説』は、のむら先生が、創刊期の「コロコロ」と、自身の波乱万丈のマンガ家人生について描いた自伝的作品。

 受験バトルマンガ『とどろけ!一番』誕生伝説では私の記憶の扉が全開に。書いても擦り減らない鉛筆「四菱ハイユニ」、問題用紙と解答用紙を二枚同時に読む「秘技答案二枚返し」…なつかしー! 特にぐっときたのは、結婚式前夜、締め切りに間に合わない!というピンチに、「コロコロファミリー」のマンガ家たちが助けに現れるくだり。似たような光景が藤子不二雄A『愛…しりそめし頃に…』、ちばてつや「トモガキ」などでも描かれるのですが、いつの時代も描く苦しさを分かち合える仲間との強い絆がマンガ家たちを支えているのですね。

 コロコロ創刊と共に始まった私のマンガ読者人生。すっかりスレた読者になってしまいましたが、「コロコロ」のキャッチフレーズ「ガッツな笑いとド迫力」の通りの、本作のストレートで熱い展開に、マンガはこうでなくちゃ!と改めて思うのでした。久しぶりに小学生の時『おじゃまユーレイくん』のよしかわ進先生から頂いたファンレターのお返事(自慢!)を読み返そうっと。

(文/門倉紫麻)

※女性セブン2016年4月21日号

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