芸能

草刈正雄 「過去に昌幸演じた丹波さんが助けてくれている」

『真田丸』への思いを語る草刈正雄

 NHK大河ドラマ『真田丸』で、草刈正雄(63)は小大名ながらも知謀をもって乱世を巧みに生き抜く真田昌幸を演じている。

 飄々として食えない雰囲気を漂わせつつ締める所ではビシッと締める芝居はカッコ良く、昌幸の策士ぶりに説得力を与えていた。

「素直にやっているだけです。あまり緻密に考えるタイプではないので、台本から受ける勘だけですね。三谷幸喜さんのホンが楽しいので、そこから受けるインスピレーションしかないんです。

 役に直球でぶつかっています。あまり小細工してもしょうがない。その方が人間の大きさが出ると思うんです。あまり小細工した芝居をしてしまうと、小者に見えてしまう感じがするんですよ。

 昌幸は曲者なだけではないと思います。教育熱心なんじゃないかな。信玄公からいただいた教育を息子に受け継がせようとしていると思うんです。あれだけ、息子たちとコミュニケーションをとる家族というのは戦国では珍しい。昌幸は息子たちに全てを見せています。泣きつくこともありますしね。弱いところも、何もかも吐き出す。教育といっても堅いものではなくて『俺のやることをお前たちはいつも見ていろ』という」

 主人公で昌幸の次男・信繁を堺雅人が、その兄・信幸を大泉洋が、それぞれ演じている。

「大泉さんは役者として本当に凄い。プロフェッショナルです。あんな生真面目な顔は他の作品では見たことないですもんね。堺さんは緻密です。ざっくり派の僕とは全く違いますね。リハーサルでもよく質問していますし、そこまで考えるのかというくらい、気合いが入っていますよ。

 ここまで共演者とワクワクするリハーサルはありません。その楽しさは、堺さんも大泉さんもビシビシと感じていると思います」

 劇中で敵対することになる徳川家康(内野聖陽)側には近藤正臣、藤岡弘、というベテランの芸達者が顔を揃えている。

「徳川も北条も、みんな楽しんでますね。近藤さん、藤岡さんの芝居を見ていると『また楽しんでやってるな』と挑発されます。その段階から戦いは始まってます」

 草刈は1985年のNHKドラマ『真田太平記』では昌幸の次男・真田幸村(信繁)役で出演。この時の昌幸役は丹波哲郎だった。『真田丸』でのそこはかとない大物感を漂わせる草刈の演技には、丹波を彷彿とさせるものがある。

「丹波さんには、かなり影響を受けています。意識してやっているつもりはないのですが、セリフ回しとか『似ているぞ』と自分でも思ってしまいます。丹波さんがスタジオのどこかに降りてきている気がするんですよ。『ちゃんとやってるか』って。それで、凄く助けてくれているんだと思います。

 それだけ、『真田太平記』での丹波さんの昌幸に打ち込む姿は凄かった。強烈な雰囲気を出していました。セリフを覚えない人だと聞いていましたが、とんでもない。全て完璧に入っていました」

関連記事

トピックス

6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン