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乳がん専門医 「告知されたら思い切り悲しんでよい」

 昨年乳がんを告白したタレントの北斗晶(48才)が《言葉だけでは理解し難く、告知された瞬間は 他人事のような感覚だった気がします》とブログに綴ったように、がんとわかった直後は大きな衝撃を受ける。

 そして、女性にとって乳がんという病は特別。命あってこそ、と頭ではわかっていても、乳房を失うことになるかもしれない現実は、女性としての機能も生き方も大きく変わることを意味するからだ。濱岡ブレストクリニック院長の濱岡剛さんは、こう話す。

「がんに限らず、人が大きな問題点にぶつかったときは、最初は“そんなこと私にあるわけない”“乳がんなんて夢に違いない”と一度は現実逃避します。でも時間の経過とともに“乳がんになったのは本当らしい”と現実を受け入れ始めます。すると、大きな悲しみがどんどん膨らんでくる。そして“私の人生はどうなるんだろう”といった不安や悩みが生じてきます。

 患者さんには、“告知されたらまずは思い切り悲しんでよい”と伝えています。治療と向き合うのはそのあとです」(濱岡院長)

 絶望、不安、怒り、否定…。告知後は言葉にできないさまざまな感情が患者を襲う。日頃冷静な人であっても不眠や食欲不振などから日常生活に支障をきたすほどのうつ状態になることも少なくない。なかには病院に来なくなったり、自殺する人もいるため、治療を始めるまでの期間はまさに『魔の2週間』ともいえる。

 それゆえ心のケアが必要なときは、がん患者やその家族の心のケアを専門にする精神腫瘍科を受診することもできる。

「乳がんはがんのなかでは比較的治癒しやすいがんです。乳がんと診断されても“患者さんの価値”は変わりません。ステージにもよりますが、告知のときは病状、治療方針、治る確率などを説明し、治療は必ず克服できると信じて、元通りの人生が戻ってくることを思い出してほしいと話しています」(濱岡院長)

※女性セブン2016年5月12・19日号

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