国内

巨大地震の発生原因 中部地区にも未知なる「活断層」が存在

 大きくえぐれた山々、跡形もなく崩れ落ちた橋、陥没した道路、倒壊した家屋──田畑が広がるのどかな光景を一変させた熊本地震の傷跡はあまりにも大きい。

 その地震は他人事ではない。今回の原因となったとみられる活断層は日本中いたる所に潜んでいるからだ。銀座、築地、月島、四谷、浅草、田端、飯田橋、江戸川、荒川、春日部、熊谷、草加、高崎ほか首都圏の街にも「隠れ断層」が貫いている。

 東海地震が警戒される名古屋を中心とした中部地区も安心できない。2012年、名古屋大と広島大のチームが名古屋市内を南北に縦断する未知の活断層2本の存在をつきとめた。

 それぞれ10kmほどの長さで、「堀川断層」は名古屋城の北から名古屋駅の東を通り、熱田神宮(名古屋市熱田区)付近まで続く。もう1本の「尼ケ坂断層」は名鉄瀬戸線尼ケ坂駅付近から南へ延びる。

 堀川断層は一部が名古屋高速都心環状線に、尼ケ坂断層は約5kmが高速道路の直下だという。

「航空レーザ測量などの精密な測量によって得られたデータをもとに活断層が存在するという結論に達しました。検証を続けたい」(調査チームの広島大・後藤秀昭准教授)

 名古屋市では南海トラフ地震の被害想定で死者を6700人、建物の倒壊焼失を6万6000棟と見積もっているが、都心の活断層地震が発生すれば、それでは済まない可能性が高い。

※週刊ポスト2016年5月6・13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
第75代横綱・大の里(写真/共同通信社)
大の里の強さをレジェンド名横綱たちと比較 恵まれた体格に加えて「北の湖の前進力+貴乃花の下半身」…前例にない“最強横綱”への道
週刊ポスト
地上波ドラマに本格復帰する女優・のん(時事通信フォト)
《『あまちゃん』から12年》TBS、NHK連続出演で“女優・のん”がついに地上波ドラマ本格復帰へ さらに高まる待望論と唯一の懸念 
NEWSポストセブン
『マモ』の愛称で知られる声優・宮野真守。「劇団ひまわり」が6月8日、退団を伝えた(本人SNSより)
《誕生日に発表》俳優・宮野真守が30年以上在籍の「劇団ひまわり」を退団、運営が契約満了伝える
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト
インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン
アーティスト活動を本格的にスタートした萌名さん
「二度とやらないと思っていた」河北彩伽が語った“引退の真相”と復帰後に見つけた“本当に成し遂げたい夢”
NEWSポストセブン