国際情報

中国当局がヒタ隠す危ない「キョンシー肉」や「ピクピク肉」

当局が押収した肉 Imaginechina/AFLO

 数十年前の肉が平然と市場に出回る中国。衛生当局の杜撰な管理、賄賂の横行により、腐肉や偽装肉の流通は野放しのままだ。習近平国家主席もお手上げの中国“毒食品”事情を、ジャーナリスト・奥窪優木氏が追う。

 * * *
 中国の食卓を「キョンシー肉」が脅かしている。

 キョンシー肉とは、冷凍されてから数年~数十年が経過した肉のこと。昨年6月、中国の税関当局が冷凍肉の密輸業者を摘発したところ、1970~1980年代に生産された豚肉や鶏肉が中国国内に流通していることがわかった。

 問題の肉は、ブラジルやインドなどで廃棄された現物を中国の業者がタダ同然で引き取り、香港やベトナムに出荷。そこから陸路、中国国内に輸送され、地方都市の飲食店やスーパーに並んでいた。運搬中に冷凍と解凍を繰り返した肉の一部は変色し、猛烈な悪臭を放ったという。

 さすがに数十年前の肉は多くないが、“3~5年モノ”ならば中国国内で今も流通している。肉の値段が不安定な中国では安い時期に肉を大量に仕入れて冷凍し、値上がりしたら売りに出す業者が跋扈しているのだ。

 中でも牛肉などの高価な肉は一般庶民が食べ慣れないうえ、味が濃い中華料理では古い肉でも発覚しにくい。かつ、利ザヤが大きいので業者の「投機対象」となり、3~5年前の冷凍肉の流通はザラという。

 最近では、明らかに冷凍焼けしたキョンシー肉に『乾熟成肉』という札をつけ、「ドライエイジだ」と自慢する業者も出現した。

 広東省で飲食店を経営する日本人によれば、中国の飲食店には「この肉を使いませんか」という“飛び込み営業”が多い。破格の安さのため、出所不明の肉を使う飲食店が多いという。

 キョンシー肉に次いで中国の人々に衝撃を与えたのが「ピクピク肉」だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン