芸能

仕事選びに慎重な檀ふみ 朝ドラ・語りの依頼は二つ返事で受けた

 高視聴率をキープしているNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』。日々を大切に生きるヒロイン・常子を中心とした小橋家の奮闘ぶりが描かれるが、そんな一家を“声”で温かく見守っているのが「語り」を務める檀ふみさんだ。

 常子のモチーフは、昭和23年に生活総合雑誌『暮しの手帖』を創刊した大橋鎭子さん。女性の暮らしを豊かにする知恵や工夫が詰まった同誌は、発行部数100万部を超す人気雑誌だった。檀さんは幼い頃、「最後の無頼派」といわれた父で作家の檀一雄さんが同誌で執筆していた関係で毎号自宅に届くそれを愛読していた。檀ふみさんが、『とと姉ちゃん』に対する思いを語る。

 * * *
 私は『暮しの手帖』に育てられたところもあると思っています。ささやかな工夫が自分の暮らしを豊かにしていくという視点や、大量生産・大量消費の時代の中で「本当に必要なこととは?」「本当の幸せとは?」といったことを見極める目を養ってくれました。まだ小学校高学年くらいでしたけど、子供が読んでも面白い雑誌でしたね。

 2008年に『暮しの手帖』が創刊60周年を記念して紙面を飾った「食」に関するエッセイを選んで1冊にまとめた本を出版された際には、選者を務めさせていただきました。平塚らいてうさんや木下順二さん、幸田文さんに石井桃子さん、その他、歴史上の偉人のような人たちがみなさん執筆していて驚きました。

 ですから『とと姉ちゃん』のナレーションのお話をいただいた時は、ご縁を感じました。私、仕事選びに対してものすごく慎重なんですが、今回は二つ返事で引き受けました(笑い)。

 常子のように早くはありませんが、私も1976年、私が21才の時に父を亡くしました。当時、大学に籍を置きながら女優としてのお仕事をしていたので、「私が一家を支えてきた」という思いがあるんです。昨年、母を亡くしましたが、母が生きている間は「私は母を守るために生まれてきたんじゃないかしら」と思ったこともありました。

 だから、図々しいですけど「私も、とと姉ちゃんかも」って思っています。うちは「お父様」でも「お父さん」でもなく、「ちち」「ちちさん」と呼んでいたので、「とと姉ちゃん」ではなく「ちち姉ちゃん」ですけど(笑い)。

※女性セブン2016年6月9・16日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷と真美子さんを支える「絶対的味方」の存在とは
《大谷翔平が“帰宅報告”投稿》真美子さん「娘のベビーカーを押して夫の試合観戦」…愛娘を抱いて夫婦を見守る「絶対的な味方」の存在
NEWSポストセブン
令和最強のグラビア女王・えなこ
令和最強のグラビア女王・えなこ 「表紙掲載」と「次の目標」への思いを語る
NEWSポストセブン
“地中海の楽園”マルタで公務員がコカインを使用していたことが発覚した(右の写真はサンプルです)
公務員のコカイン動画が大炎上…ワーホリ解禁の“地中海の楽園”マルタで蔓延する「ドラッグ地獄」の実態「ハードドラッグも規制がゆるい」
NEWSポストセブン
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さん、撮り下ろしグラビアに挑戦「撮られることにも慣れてきたような気がします」、今後は執筆業に注力「この夏は色んなことを体験して、これから書く文章にも活かしたいです」
週刊ポスト
強制送還のためニノイ・アキノ国際空港に移送された渡辺優樹、小島智信両容疑者を乗せて飛行機の下に向かう車両(2023年撮影、時事通信フォト)
【ルフィの一味は実は反目し合っていた】広域強盗事件の裁判で明かされた「本当の関係」 日本の実行役に報酬を支払わなかったとのエピソードも
NEWSポストセブン
イセ食品グループ創業者で元会長の伊勢彦信氏
《小室圭さんに私の裁判弁護を依頼します》眞子さんの“後見人”イセ食品元会長が告白、夫妻のアパートで食事した際に気になった「夫としての資質」
週刊ポスト
ブラジルの元バスケットボール選手が殺人未遂の疑いで逮捕された(SNSより、左は削除済み)
《35秒で61回殴打》ブラジル・元プロバスケ選手がエレベーターで恋人女性を絶え間なく殴り続け、顔面変形の大ケガを負わせる【防犯カメラが捉えた一部始終】
NEWSポストセブン
連続強盗の指示役とみられる今村磨人(左)、藤田聖也(右)両容疑者。移送前、フィリピン・マニラ首都圏のビクタン収容所[フィリピン法務省提供](AFP=時事)
《ルフィ事件》「腕を切り落とせ」恐怖の制裁証言も…「藤田は今村のビジネスを全部奪おうとしていた」「小島は組織のナンバー2だった」指示役らの裁判での“攻防戦”
NEWSポストセブン
モンゴルを公式訪問された天皇皇后両陛下(2025年7月12日、撮影/横田紋子)
《麗しのロイヤルブルー》雅子さま、ファッションで示した現地への“敬意” 専門家が絶賛「ロイヤルファミリーとしての矜持を感じた」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ツアーに本格復帰しているものの…(左から小林夢果、川崎春花、阿部未悠/時事通信フォト)
《トリプルボギー不倫》川崎春花、小林夢果、阿部未悠のプロ3人にゴルフの成績で “明暗” 「禊を済ませた川崎が苦戦しているのに…」の声も
週刊ポスト
三原じゅん子氏に浮上した暴力団関係者との交遊疑惑(写真/共同通信社)
《党内からも退陣要求噴出》窮地の石破首相が恐れる閣僚スキャンダル 三原じゅん子・こども政策担当相に暴力団関係者との“交遊疑惑”発覚
週刊ポスト
山本アナは2016年にTBSに入局。現在は『報道特集』のメインキャスターを務める(TBSホームページより)
【「報道特集」での発言を直撃取材】TBS山本恵里伽アナが見せた“異変” 記者の間では「神対応の人」と話題
NEWSポストセブン