芸能

壇蜜の処女作 老舗文芸誌元編集長の評価と芥川賞の可能性

壇蜜に芥川賞の可能性は?

 芸能人作家の又吉直樹(35)や押切もえ(36)と同年代、壇蜜(35)の処女作が注目を集めている。

『光ラズノナヨ竹』(『オール讀物』6月号掲載)と題されたその小説は、壇蜜が『竹取物語』をモチーフにして書いた短編もの。彼氏に18万円を持ち逃げされた女子大生が、風俗店でアルバイトを始め、訳ありの男性客と出会いながら様々な出来事に巻き込まれていく話で、壇蜜は「普通じゃなくても歪んでいても居場所は居場所。誰にもみつけてもらえなかったお姫様の話です」と自作を紹介している。

 これまで壇蜜はエッセイ集『壇蜜日記』を出版したり、書評を書いたりしてきたが、満を持しての小説家デビューに各メディアから「第2の又吉誕生か!?」と騒がれている。実際にその完成度はいかほどなのか。老舗文芸誌の元編集長はこう評する。

「ありがちなストーリーではありますが、小説としてはしっかりしています。文章に独特な呼吸があり、嫌みがなく、肩に力が入っていない感じで好感が持てます。

 芸能人が小説を書くと、自分をモデルにしたり、自分の経験に基づいて物語を作ることが多いのですが、壇蜜さんの場合は、イチから自分とは違う世界の物語を作り上げている。芸能人が小説を書くときの第一関門を突破していると言えますね」

 ただ、主人公の女子大生は風俗店で働いているものの、官能的な表現が出てくるわけではなく、「壇蜜が書くのなら官能小説」という期待を抱いて読むと見事に裏切られる。

「風俗店で巡り会う男性たちとの関係をもう少し深く描いてほしかった。そこを物足りないと感じる読者は多いでしょう。押切もえさんの作品は『もっと読みたい』と思わせる力がありますが、壇蜜さんはこの1作目ではまだ分かりません」(同前)

 将来の芥川賞の可能性については、「まだまだ先の話」(同前)と手厳しかった。

 セクシーグラビアに負けないくらいの過激な官能小説、期待してます!

※週刊ポスト2016年6月10日号

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