高須:トップの人事次第なんだけどねえ。不倫騒動がなかったら、乙武(洋匡)さんなんかもよかったと思うよ。まあでも、乙武さんは自民党から出馬する予定だったんだっけ?
──そうですね。
高須:ということは、民進党よりも自民党のほうが先手を打っていたってことだよ。「誰でもいいから名前が売れてる人を選挙に出せ!」ってことだから。だってさあ、安倍さんは、民進党の松野(頼久)さんの娘(松野未佳さん)に出馬要請したんでしょ? しかもリップサービスじゃなくて、結構本気だったっていうんだからスゴイよね。安倍さんは攻めてる。7月の参院選も与党圧勝で、民進党は議席を減らすんじゃないかな。
──民進党と共産党との選挙協力についてはどう思いますか?
高須:どの程度になるかわからないけど、イマイチだろうね。それだったら、民進党と共産党が合流しちゃって、名前も「共産党」で貫き通したほうがマシだと思う。共産党だったら固定票もあるし、政策も一貫しているからね。
今の民進党が支持されないのは「反自民」っていうスタンスだからなんだと思う。「自民党に入れたくないから、仕方なしに民進党に入れよう」っていう票ばっかりなんだから、絶対に勝てない。それならわかりやすく「共産党」にしちゃったほうがマシなんじゃないかな? 消極的な「反自民票」よりも、積極的な「共産支持票」みたいな。「自民 vs 共産」の構図であれば、共産党に入れようという国民も意外と多いかもよ。
やっぱりねえ、民進党は自民党の落ちこぼれみたいな感じになってるからダメなんだよ。自民党の2軍というか。チャンスがあれば自民党に返り咲きたいと思ってる民進党の議員も少なくないと思う。それじゃあ支持されないよ。だったら、共産党が野党を吸収して、「自民 vs 共産」で一騎打ちしたほうがいい勝負になると思うね。
──結局、衆参ダブル選挙の可能性は、ほぼなくなりましね。
高須:僕個人としては、衆参ダブル選挙に踏み切っちゃってよかったと思うけどね。だって、消費増税の延期は、前回の衆院選の公約とは異なることなんだから。そこは筋が通っていると思う。議席を失うリスクもあるけど、むしろダブル選挙のほうが、自民党にとってはメリットがあったと思うよ。そっちのほうが、議席が増えただろうね。
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7月の参院選について、自民圧勝・民進惨敗と予想した高須院長。2020年の東京五輪まで続けたいという安倍首相だが、その基盤はどんどん固くなってきそうだ。
【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。
昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)、『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)など。