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2016.06.16 07:00  女性セブン

硫化水素で妻に殺されかけた夫が戦慄の日々を振り返る

 フジテレビ系ドラマ『僕のヤバイ妻』の第7話では、主演の伊藤英明(40才)と木村佳乃(40才)が夫婦最後の夕食に、実はそれぞれ毒を混入させているといった描写があり、そのシーンが「毒盛り晩餐会」と話題となった。そして、現実世界でも、妻が夫に毒を盛るという事件が起きている──。

 運送会社に勤める石川達也さん(32才)が妻(32才)と恋愛の末に結婚したのは10年ほど前のこと。子宝にも恵まれ、上から小学4年生、3才、1才の3人の子供がいる。3年前には、鮮魚店や生花店が並ぶ庶民的な商店街にもほど近い住宅街に3階建ての一戸建てを購入した。休みの日には、妻や三輪車に乗った子供らを連れて出かける姿が近所で見かけられていた。それは幸せを絵に描いたような家族、のはずだった。しかし――。

 ある夜、事件が起きた。夫はいつものように仕事を終えて23時頃に帰宅。テレビを見ながら一息つき、深夜2時を過ぎて風呂場へ。夫はゆっくり湯船に浸かりながら、いつもと違う卵の腐ったようなにおいが気になっていた。だからといって騒ぐほどのにおいでもなく、もうほとんど会話をすることがなくなった妻を呼ぶことなど頭をよぎることさえなかった。しかしそのにおいはだんだん強くなっていく。

「ヤバイ…」

 目、鼻、のどに痛みを感じると同時にすぐさま風呂場を上がると、脱衣所には、鼻を突き刺すような悪臭が充満していて、立っているのもやっと。生まれて初めて感じた生命の危機に突き動かされるように、裸のままなんとか寝室へ逃げこんだが、そのまま意識を失って倒れ込んだ。

 同じ家にいた妻が、意識不明の夫のために119番通報をしたのは、それから約2時間後の午前5時4分。

「自宅に異臭がする」
「夫が自殺を図ったかもしれない」

 かすかに意識を取り戻し、朦朧としながら運ばれていく夫の横で、妻は駆けつけた警察や救急隊員にそう説明していた。

 9日間、生死の境をさまよった達也さんは、なんとか命をとりとめた。そして2か月後の2月16日、この一件で逮捕されたのは妻。硫化水素自殺に見せかけて夫を殺害しようとした容疑だ。

「妻は最初から最後まですべて否認。そのため動機も不明のままです。ですが、警察も単に疑いがあるだけでは逮捕できませんからね。硫化水素に使われた製品の入手状況や関係者の話などもろもろの捜査から、裏づけをとって、2か月かけて逮捕に至った。外部からの侵入が考えられない状況だったため、ご主人の自殺か、奧さんがやったのかしか考えられないというわけです」(捜査関係者)

 それから半年。本誌・女性セブンは事件現場となった前出の一戸建てを訪れた。かつて子供の三輪車や遊具があったという1階駐車場はがらんとしていて、脚立とバケツが置いてあるのみ。駐車場脇のコンクリート壁にある、子供が白いチョークで描いた蝶々が、物寂しく飛んでいた。

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