◆向こう(妻)からは“死ねばいいのに”と言われていた
実は今達也さんは、退院してから前出の家にひとりで暮らしている。達也さんが入院している間に、妻が子供を連れて実家に帰ったからだ。それゆえ達也さんは、事件以降、子供たちと一度も会っていない。達也さんは憤りながら、強くこう訴えた。
「2番目の子はこの春、幼稚園に入ったはずなんですが、入ったかどうかもわからん。電話しても(義両親は)出ないですから、今は裁判所を通している状態なんですわ、子供を取り返すために。だって普通に考えたら、おかしいじゃないですか? ぼく、被害者やのに、会わさへんとか」
結婚当初からお互いに手を上げ合うほど激しいけんかを繰り返していたが、2年ほど前にはもう夫婦仲は修復不可能なほど悪化していた。
「いちばん下の子の妊娠がわかったときにはもうあかんかったですね。その時には離婚の話をしてたんで。もともとけんかのたびに向こうが“離婚”て言うてくるんで、それまでは“子供のために離婚はあかん”と止めていたんですが。あまりに離婚、離婚言うから、“わかった、離婚や。出て行け”って言うたんです。子供のお金も払うからって。でもその後も出て行かんかった。なんでかはわかりませんわ」(達也さん)
その後は普通の会話を交わすことなく、必要なときだけ「あれはどうする」「これはどうする」くらいしかなかった。その時にはもう子供たちも、彼から逃げるようになっていたという。
「向こうが(子供に)“触らんといて”“一緒におらんといて”って言うんです。“(あなたと)一緒におったら子供が泣くから、一緒におらせたくない”って言われてました。“殺してやる”とはぼくからも言わなかったですし、向こうもね。でも、向こうからは“死ねばいいのに”とかは言われてましたけどね」(達也さん)
そこまで話すと、持っていた買い物袋を見て、「冷凍食品が入ってるから、もういいですか?」と達也さん。最後に「離婚話も進めているんですか?」と聞くと、不快感をあらわにきつい口調で言った。
「もちろん。一緒になんかおられへんしね。一緒におったら、トドメ刺されるでしょ」
街灯に浮かぶ達也さんの顔は、ひどく疲れているように見えた。
※女性セブン2016年6月30日号