ビジネス

2030年に三田・日吉・湘南藤沢をつなぐ「慶應線」が開通か

東急目黒線の日吉駅まで乗り入れる都営三田線の電車


 矢内さんはSFCで学ぶ慶應生。そこで、SFCの目の前にできる駅について、どんな駅名を期待しているのか? と質問してみた。

「SFCは慶應の一部ですが、『慶應大学前駅』といった慶應を代表してしまうような駅名は、三田や日吉が許さないと思います。SFC一帯は遠藤という地名なので、遠藤駅になる可能性が高いのではないでしょうか」

 慶應義塾大学鉄道研究会の内部からは、京急電鉄久里浜線のYRP野比駅のように「SFC遠藤駅」になったら面白いという声も挙がる。そうした話で盛り上がっていることからも、鉄道研究会内における“慶應線”の関心は決して低くない。しかし、矢内さんは“慶應線”が実現することで危惧する点もあるという。

「東急目黒線は、田園調布駅-日吉駅間で東横線と同じ場所を走っています。東横線は東京メトロ・西武・東武・横浜高速鉄道(みなとみらい線)と相互乗り入れをしており、東急目黒線は三田線・南北線・埼玉高速鉄道と乗り入れしています。これに相鉄が加わりますし、2019年には相鉄とJRの相互乗り入れも始まる予定です。列車運用が複雑になると、輸送障害が起きやすくなり、遅延が常態化します。そのあたりが気になりますね」

 東京圏の鉄道は、利便性の向上を目的として相互乗り入れが進められた。その結果、乗り換えなしであちこちに行けるようになった。

 しかし、便利になった反面で不便になったこともある。どこかで事故が起きると、たちまちすべての鉄道が停止してしまうのだ。

 2015(平成27)年に開業した上野東京ラインは、常磐線・高崎線・宇都宮線と東海道本線とを東京駅でドッキングさせて東海道本線との相互直通を可能にしたが、乗り換えの手間がなくなった一方で、その弊害も指摘されている。

 たとえば京浜東北線や横須賀線などで事故が起きると、常磐線や東北本線にも影響が及ぶ。無関係のようにも思える路線で輸送障害が起きるようになった。“慶應線”にも、そうした不安がついて回る。

 期待と不安が交錯する“慶應線”は、計画通り2030年に爆誕するか!?

関連キーワード

トピックス

結婚へと大きく前進していることが明らかになった堂本光一
《堂本光一と結婚秒読み》女優・佐藤めぐみが芸能界「完全引退」は二宮和也のケースと酷似…ファンが察知していた“予兆”
NEWSポストセブン
売春防止法違反(管理売春)の疑いで逮捕された池袋のガールズバーに勤める田野和彩容疑者(21)
《GPS持たせ3か月で400人と売春強要》「店ナンバーワンのモテ店員だった」美人マネージャー・田野和彩容疑者と鬼畜店長・鈴木麻央耶容疑者の正体
NEWSポストセブン
日本サッカー協会の影山雅永元技術委員長が飛行機でわいせつな画像を見ていたとして現地で拘束された(共同通信)
「脚を広げた女性の画像など1621枚」機内で児童ポルノ閲覧で有罪判決…日本サッカー協会・影山雅永元技術委員長に現地で「日本人はやっぱロリコンか」の声
NEWSポストセブン
三笠宮家を継ぐことが決まった彬子さま(写真/共同通信社)
三笠宮家の新当主、彬子さまがエッセイで匂わせた母・信子さまとの“距離感” 公の場では顔も合わさず、言葉を交わす場面も目撃されていない母娘関係
週刊ポスト
タンザニアで女子学生が誘拐され焼死体となって見つかった事件が発生した(時事通信フォト)
「身代金目的で女子大生の拷問動画を父親に送りつけて殺害…」タンザニアで“金銭目的”“女性を狙った暴力事件”が頻発《アフリカ諸国の社会問題とは》
NEWSポストセブン
阿部慎之助監督(左)が前田健太(時事通信フォト)の獲得に動いているとも
《阿部巨人の「大補強構想」》前田健太、柳裕也、則本昂大、辰己涼介、近本光司らの名前が浮上も、球団OBは「今はそんなブランド力はない」と嘆き節
週刊ポスト
松田烈被告
「テレビ通話をつなげて…」性的暴行を“実行役”に指示した松田烈被告(27)、元交際相手への卑劣すぎる一連の犯行内容「下水の点検を装って侵入」【初公判】
NEWSポストセブン
鮮やかなロイヤルブルーのワンピースで登場された佳子さま(写真/共同通信社)
佳子さま、国スポ閉会式での「クッキリ服」 皇室のドレスコードでは、どう位置づけられるのか? 皇室解説者は「ご自身がお考えになって選ばれたと思います」と分析
週刊ポスト
Aさんの左手に彫られたタトゥー。
《10歳女児の身体中に刺青が…》「14歳の女子中学生に彫られた」ある児童養護施設で起きた“子供同士のトラブル” 職員は気づかず2ヶ月放置か
NEWSポストセブン
知床半島でヒグマが大量出没(時事通信フォト)
《現地ルポ》知床半島でヒグマを駆除するレンジャーたちが見た「壮絶現場」 市街地各所に大量出没、1年に185頭を処分…「人間の世界がクマに制圧されかけている」
週刊ポスト
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(インスタグラムより)
「バスの車体が不自然に揺れ続ける」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサー(26)が乱倫バスツアーにかけた巨額の費用「価値は十分あった」
NEWSポストセブン
韓国の人気女性ライバー(24)が50代男性のファンから殺害される事件が起きた(Instagramより)
「車に強引に引きずり込んで…」「遺体には多数のアザと首を絞められた痕」韓国・人気女性ライバー(24)殺害、50代男性“VIPファン”による配信30分後の凶行
NEWSポストセブン