ビジネス

2030年に三田・日吉・湘南藤沢をつなぐ「慶應線」が開通か

「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について」(国土交通省)より

 鉄道路線の話題というと廃止について目が行きがちだが、現在も新たな路線の計画が進んでいる。フリーライターの小川裕夫氏が、神奈川県と慶應義塾生にとって悲願ともいえる新路線計画、通称「慶應線」についてリポートする。

*    * *
 今年4月、国土交通省の諮問機関・交通政策審議会が鉄道整備計画を答申した。同計画は今後の都市鉄道のあり方の方向性を示すもので、答申には24の鉄道整備計画が盛り込まれている。

 プロジェクトリストの最初に記載されたのは、京成電鉄押上駅と京浜急行の泉岳寺駅とを新東京駅(仮称)経由で結ぶ計画案。これが実現すれば、成田空港と羽田空港とのアクセスは飛躍的に向上する。

 鉄道はどのように整備されるのか? どこを通って、どこに駅をつくるのか? そうした鉄道整備は、実のところ綿密な話し合いで決定されている。いくらJRや私鉄が民間事業者だからといって、自分たちの意のままに決めることはできない。あくまで、国の答申を受けたうえで鉄道の整備計画は決定されている。

 整備計画は10~20年に1回出される。今回新たに盛り込まれた計画は、簡単に変更されない。逆に、盛り込まれなかった計画が急に建設されることもない。
 
 プロジェクトリストのラスト24番目に滑り込んだのは、相模鉄道(相鉄)いずみ野線の終点・湘南台駅からJR相模線の倉見駅までの延伸計画だ。神奈川県寒川町に立地する倉見駅は、一日の乗車人員が2000人に満たない。

 利用者は少ないが、倉見駅のすぐ脇を新幹線が走り抜ける。そうした立地特性を踏まえて、寒川町は倉見駅に隣接した場所に新幹線駅を誘致しようとしている。その実現性は低い。しかし、いずみ野線が延伸すれば新幹線駅誘致にも弾みがつく。

 そうした理由から、神奈川県の政財界はいずみ野線の延伸を働きかけてきた。今回、プロジェクトリストに相鉄の延伸計画が盛り込まれたことは、悲願達成に一歩近づいたと言ってもいい。

関連キーワード

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン