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球界最年長・70歳のロッテ打撃投手の生き様

球界最年長・70歳の打撃投手

「ボールを投げて相手が打つだけの作業。別に珍しいことじゃない。同じような年齢で野球をしている人(アマチュア)はたくさんいる。違うのは、こっちはお金をもらっていることかな」

 千葉ロッテマリーンズの池田重喜は、5月に70歳の誕生日を迎えた寮長兼、現役の打撃投手だ。「シルバー草野球と変わらない」と笑う古希の打撃投手は、二軍本拠地の浦和球場で連日、プロの若手打者を相手に汗を流している。

 現役時代は大洋、ロッテで中継ぎ投手として活躍。肩の故障により引退した後は、トレーニングコーチ、育成コーチを歴任しつつ、その頃から打撃投手を務めてきた。

 池田の朝は寝床でのストレッチ運動から始まる。早朝5時過ぎに目を覚まし、布団の中で「固まりやすくなった」全身をほぐす。続いて腹筋、背筋、腕立て伏せを各100回以上行なって、寮生たちと散歩に出かけ、朝食を摂る。これが毎朝の日課だ。

 53歳で寮長に就任した時、池田がまず驚いたのは、朝食を摂る習慣のない若者が多いことだった。

「食事の大切さを教えてくれたのは、金田(正一)さん。私が現役の頃は、キャンプ中に出される食事も粗末なものが多くてね。そこへ金田さんが監督としてやってきて、『食事は体の源や!』といって改善してくれた。量も品数も一気に増えて驚いたものだよ。体のケアの重要性も含めて、金田さんにはスポーツ選手としてのプロ意識を勉強させてもらった」

 金田が現役時代、キャンプ中に自ら食材の買い出しに行くほど、食事にこだわりを持っていたのは有名なエピソードだ。金田に薫陶を受けた池田は寮生全員に朝食の習慣化を徹底させた。

 ロッテの2度の日本一に貢献した強打の捕手・里崎智也も、池田に朝食の大切さを説かれた選手の一人だった。

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