スポーツ

角居勝彦調教師 夏競馬は開催地によって馬を使い分ける

夏競馬は開催地によって馬を使い分ける

 一昔前はローカル競馬などといわれ、シーズンオフといった趣もあった夏競馬。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、近年は秋競馬や来季へ向けての大切な時期となった夏競馬について解説する。

 * * *
 夏競馬です。かつてはダービーが終わるとトレセンでは誰が北海道へ行くのかといったことが話題になったものです。昔は交通も不便で途中でスタッフの入れ替えなどもままならず、厩舎ごとに「北海道組」と「小倉組」に分かれたりしていました。

 しかし、今はすぐに新馬戦が始まることもあって気が抜けません。夏競馬は、舞台も距離もメンバーも多彩になり、3歳未勝利戦をいかに戦い抜くかなど、それぞれの陣営の思惑がぶつかるからです。ファンにとってはPOG(ペーパー・オーナー・ゲーム)などで血統への興味を深めることもでき、競馬にじっくりと向き合える時期だと思います。

 函館、小倉、新潟、中京、福島、そして札幌。開催地によって馬の使い分けを考えます。たとえば、小倉は栗東から前日輸送になるので、体がある程度できあがった馬を使いたい。現地滞在の函館の場合は、調教場もフラットなので体の小さい、食の細い馬を連れていきたくなります。新潟は左回りで直線が長い。その特徴に合った馬を使いたい。

 開催地が広範にわたるので、輸送は重要なポイントです。もちろん函館や札幌がもっとも遠いわけですが、北海道は牧場を拠点にでき、馬の入れ替えが容易になるメリットがあります。津軽海峡を渡ってしまえばそれほど輸送のマイナスはありません。

 北海道へは陸送で青森からはフェリーに乗ります。時間がかかるものの、馬はそれほどストレスを感じないようです。馬運車からは外の風景は見えないのですが、風の匂いで北に来たことが分かる。北海道は生まれ故郷なので、「放牧だ! のんびりできるぞ」と勘違いしてリラックスモードに入ってしまう馬もいます。行き先は競馬場なんですが(笑い)。

関連キーワード

トピックス

雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
国仲涼子が『ちゅらさん』出演当時の思い出を振り返る
国仲涼子が語る“田中好子さんの思い出”と“相撲への愛” 『ちゅらさん』母娘の絆から始まった相撲部屋通い「体があたる時の音がたまらない」
週刊ポスト
「運転免許証偽造」を謳う中国系業者たちの実態とは
《料金は1枚1万円で即発送可能》中国人観光客向け「運転免許証偽造」を謳う中国系業者に接触、本物との違いが判別できない精巧な仕上がり レンタカー業者も「見破るのは困難」
週刊ポスト
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン