ライフ

中高年のひざ痛 湿布、塗り薬、自分でマッサージの危険性

中高年のひざ痛はどう治す?

 ひざに“爆弾”を抱える中高年は多い。厚労省の調査(2008年「介護予防の推進に向けた運動器疾患対策について」報告書)によれば、加齢による「変形性膝関節症」、いわゆるひざ痛の患者は予備群含めて約3000万人と推計されている。そして、厚労省の国民生活基礎調査(2010年)では、「介護が必要な理由」の4位(10.9%)が関節疾患となっているのだ。

 順天堂大学医学部の黒澤尚・特任教授は「外傷や腫瘍などの病気でない限り、50歳以降のひざ痛の9割が当てはまる」と断言する。症状を引き起こすのは、ひざのクッションの役割を果たす軟骨や半月板の摩耗だ。横浜市立大学大学院教授の齋藤知行氏が解説する。

「膝関節を包む滑膜内の軟骨が摩耗してはがれると、その破片が滑膜を刺激して炎症や痛みを起こします。すると炎症を食い止める役割の関節液が滑膜の中で増えて、いわゆる『水が溜まった状態』になる」

 この状態でひざを使うと、増えた関節液が滑膜を刺激してさらに炎症と痛みが増し、その痛みを抑えようと関節液が分泌されるという悪循環に陥る。

「軟骨の摩耗が進むと骨がつぶれて棘のようになり、骨と骨が直接ぶつかり合う。安静時も激しい痛みを伴い、寝ていても痛みで目が覚めるほどです」(同前)

 ひざに痛みを感じると、多くの人がまず頼るのは湿布や塗り薬、マッサージといった処置だろう。しかし、正しい知識を持たねば十分な効果は得られない。

「患部に熱や腫れがあれば冷やし、治まれば血流を促すために温めるのが基本です。湿布や塗り薬には消炎鎮痛剤が含まれるので一時的に痛みは治まります。しかし磨り減った軟骨が再生するわけではないので、あくまで対症療法に過ぎません」(同前)

関連キーワード

関連記事

トピックス

(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン