国内

ご近所トラブルで殺人 最悪の結末に住民が密かに本音明かす

 昨年11月、千葉県館山市で高齢者同士のご近所トラブルが最悪の結末を迎えた。加害者の浅田一郎(仮名、76才)と被害者の佐々木昌さん(仮名、73才)は約40年来の隣人同士。関係が悪化したきっかけは、20年ほど前に佐々木さんが浅田に「生活排水が自宅に流れ込んできている」とクレームをつけ始めたことだった。

 以前から佐々木さんは、先端に鎌がついた長い棒を手に持ち、「迷惑料を払え」「土地を売ってでも金を払え。払えないならおれの面倒を見ろ」などと、浅田夫婦に迫ることも少なくなかった。

 事件の日も佐々木さんは浅田の自宅を訪れ、浅田の妻に生活排水のクレームを言い続けていた。帰宅した浅田が「いい加減にしろ」「おとなしくしてればつけあがりやがって」と言い返すと、佐々木さんは「おれの言うことが聞けねえのか」と両手で襟首をつかんで「200万か300万円持ってこい」と要求。

 脳裏をよぎったのは20年にも及んだトラブルを終わりにしたいという一心だったのかもしれない。この日、浅田は初めて佐々木さんに手をあげた。その後、佐々木さんを引きずって敷地内にある池に落とし、頭を手足で押さえつけて溺死させた。浅田は3日後、千葉県警館山署に殺人容疑で逮捕された。

 事件現場は市の中心部から車で約15分の場所にある人口150人ほどの集落。ウグイスが鳴き、木々が生い茂り水田が広がり、海が近いので魚がおいしいことでも有名だ。一方で幹線道路には大型スーパーやドラッグストア、レストラン、コンビニが立ち並び、生活も便利。年間平均気温16℃前後で、めったに雪が降らないことなどから、リタイア組の移住先としても人気がある。

 事件から8か月。近隣の住人たちに話を聞くと、それぞれ複雑な思いを吐露した。

「加害者の一郎さんは本当に面倒見がいいし、優しくてね。だからって殺していいかというとダメだけど、佐々木さんは厄介者で有名で、私たちは毎日すごく気を使っていたんです。これでやっと安心して生活できる…大きな声では言えないんですけど、これが本音です」(男性住民)

関連キーワード

関連記事

トピックス

中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「山健組組長がヒットマンに」「ケーキ片手に発砲」「ラーメン店店主銃撃」公判がまったく進まない“重大事件の現在”《山口組分裂抗争終結後に残された謎》
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン