国際情報

「米国内の日米同盟破棄論」少数意見だが米孤立主義の反映

トランプ氏は在日米軍撤退に言及 Reuters/AFLO

 産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏は「アメリカでは、長く日米同盟懐疑論が語られてきた」と指摘する。古森氏は、米国内での日米同盟批判論は珍しくも新しくもなく、大別して最も過激な「破棄論」、「不平等・不公正論」、「縮小論・弱体化論」の3種類があるという。ここでは「破棄論」について古森氏が紹介する。

 * * *
 第1は、最も過激な日米同盟破棄論である。超少数意見ではあるが、アメリカの孤立主義の伝統の反映でもある。

 端的な実例ではソ連崩壊直後の1992年の大統領選で現職ブッシュ大統領に挑戦した保守派論客のパット・ブキャナン氏が「アメリカは自国市場を略奪する日本の防衛を負担する必要はない」と主張した。東西冷戦に勝利したアメリカは「もう本国に帰れ」(カムホーム、アメリカ)というスローガンだった。

 1995年11月にはワシントンの大手研究機関「ケイトー研究所」が「東アジアの有事に日米同盟は機能しないから事前に解消したほうがよい」という主張の報告書を出した。南沙諸島、台湾、朝鮮半島での戦争のいずれも日本は米軍の戦闘を支援しないから同盟の意味はない、という主張だった。

 2013年3月にはサンディエゴ州立大学のエリザベス・ホフマン教授がニューヨーク・タイムズへの寄稿論文で在日米軍撤退を訴えた。ソ連の脅威に備えた在日米軍はもう任務を終え、日本には自国を防衛する能力があるのだとする日米同盟解消論だった。

 この種の破棄論は国際情勢の変化やアメリカ自体の安全保障と経済能力の変遷、日本の防衛力の強固さなどを根拠としていた。

※SAPIO2016年8月号

関連記事

トピックス

2025年11月、ホーコン王太子とメッテ=マリット妃
《彼女は17歳だよ。きっと楽しいと思う》ノルウェー王室激震、エプスタイン元被告と次期王妃の“黒塗り”メール――息子マリウスは“性的暴行”裁判渦中 
NEWSポストセブン
現地では大きな問題に(時事通信フォト)
《トゥクトゥク後部座席での行為にタイ現地の人々が激怒》フランス人観光客の“公開露出”に目撃者は「丸見えだった」 入国ブラックリストに
NEWSポストセブン
父・落合信彦氏の葬儀で喪主を務めた落合陽一氏
「落合信彦の息子という記述を消し続ける時代があった」落合陽一氏が明かした、父について語り始めた理由“人の真価は亡くなった時に分かる”【インタビュー】
NEWSポストセブン
本来であれば、このオフは完成した別荘で過ごせるはずだった大谷翔平(写真/アフロ)
《大谷翔平のハワイ訴訟問題》原告は徹底抗戦、大谷サイドの棄却申し立てに証拠開示を要求 大谷の“ギャラなどの契約内容”“資産運用の内幕”が晒される可能性も浮上 
女性セブン
表舞台から姿を消して約1年が経つ中居正広
《キャップ脱いだ白髪交じりの黒髪に…》「引退」語った中居正広氏、水面下で応じていた滝沢秀明氏からの“特別オファー” 
NEWSポストセブン
菅直人・元首相(時事通信)
《認知症公表の菅直人・元総理の現在》「俺は全然変わってないんだよ」本人が語った“現在の生活” 昼から瓶ビール、夜は夫婦で芋焼酎4合の生活「お酒が飲める病気でよかった」
NEWSポストセブン
弾圧されるウイグルの人々(日本ウイグル協会提供)
【中国・ウイグル問題】「子宮内避妊具を装着」「強制的に卵管を縛る…」中国共産党が推進する同化政策・強制不妊の実態とは…日本ウイグル協会・会長が訴え
NEWSポストセブン
大場克則さん(61)(撮影/山口比佐夫)
《JC・JK流行語大賞は61歳》SNSでバズる“江戸走り”大場さんの正体は、元大手企業勤務の“ガチ技術者”だった
NEWSポストセブン
中村獅童と竹内結子さん(時事通信フォト)
《一日として忘れたことはありません》中村獅童、歌舞伎役者にならなかった「竹内結子さんとの愛息」への想い【博多座で親子共演】
NEWSポストセブン
週末にA子さんのマンションに通う垂秀夫氏
垂秀夫・前駐中国大使が中国出身女性と“二重生活”疑惑 女性は「ただの友達」と説明も、子供を含む3ショット写真が本物であることは否定せず 現役外交官時代からの関係か
週刊ポスト
青木淳子被告(66)が日記に綴っていたという齋藤受刑者(52)との夜の情事を語ったのはなぜなのか
《不倫情事日記を法廷で読み上げ》「今日は恥ずかしいです」共謀男性社長(52)との愛人関係をあえて主張した青木淳子被告(66)が見せていた“羞恥の表情”【住職練炭殺人・懲役25年】
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長も流出の被害にあった過去が(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長の誕生日会》かつては「ご祝儀1億円」の時代も…元“極道の妻”が語る代替わりのXデー