スポーツ

村田兆治氏 投球を愚痴っても背中を押してくれた母の言葉

村田兆治が母の思い出を語る(名球会HPより)

「孝行のしたい時分に親はなし」というが、男にとって生まれて最初に接する異性である母の愛のありがたみは、失ってみて初めて気づくことがほとんどだろう。母の思い出を、プロ野球解説者で「マサカリ投法」で知られる村田兆治氏(66)が語る。

 * * *
 おふくろは親父に口応えをせず、とにかく男性を立てる。男尊女卑のいい面を持った女性でしたね。

 親父は広島県の職員。生活は安定していたが、子供の頃から贅沢はしたことがなかった。家の裏には小さな畑があって、おふくろはそこで穫れた野菜をバランスよく食べさせてくれた。

 当時はもっぱら田んぼで相撲などをとって遊んだ。カープファンの親父に連れられて市民球場で何度か野球を観戦したが、実際に野球を始めたのは小学4年。学校のソフトボール部に入部した。

 中学でも野球部に所属し、高校は甲子園を目指して広島の強豪・福山電波工業に進学した。甲子園の夢はかなわなかったが、ロッテからドラフト1位で指名を受けた。小学生からの夢だったプロ野球選手になることができたが、進路はすべて自分で決めてきた。

 親父もそうだったが、特におふくろは「自分の道は自分で切り開きなさい」という考え。失敗を恐れず何事にでもチャレンジすればいいという人だった。

 もちろん試合で打たれると落ち込んだし、夏の練習で食欲が落ちることもある。落ち込んだ時は明るく接してくれるし、食が進まない時は食べやすいものを作ってくれた。いつでも温かく見守ってくれた。

 勝ち投手になれば「よかったね」と電話を掛けてきた。その時に「今日のピッチングは俺が求めているものとは違うんだ」とグチっても、「じゃ次に頑張ればいい」と受け止めてくれた。そんな一言で励まされたり、気持ちの切り替えができたことも少なくなかった。

関連記事

トピックス

〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン