《九は邦楽の出身で、ロカビリーからジャズにいって、もう一度、伝統芸能に戻れる人でした。それが飛行機事故で突然、亡くなってしまった。(中略)悔しかったですね。いつかきちんと、日本の伝統芸能を踏まえて、新しい坂本九になる。もうそろそろそのときが来て、僕も作詞をしたいと思っていた矢先の遭難でした》

 生前は“犬猿の仲”といわれた立川談志さん(享年75)との秘話も綴られている。

 2人は談志さんが7代目を襲名する直前に出会った。その後談志さんが柳家小さんさん(享年87)と対立するようになると、永さんと談志さんの距離も自然と離れていったといわれてきた。

《談志の前では僕の話はしないし、僕の前で談志の話はしない》

 実は、2人はそれをおもしろがっていた。“けんかしていようぜ”という暗黙の了解があったのだという。いたずら好きで、粋な2人の心の交流。

《談志が三十前に書いた『現代落語論』は名作だと思います。あの本を残しただけでも、もちろんその他の功績も多々ありますが、僕は尊敬していました》

《あなたの心にその人が生き続けていれば、それが供養のひとつだと思います》

 永さんは、著書をそう締めくくった。私たちの中で、永さんは生き続ける。

※女性セブン2016年7月28日号

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