もう1つ。13日の15時過ぎにスポニチアネックスが流した記事には、同日放送の『バイキング』(フジテレビ系、11時55分~)で俳優の梅沢富美男氏が、こうコメントしたとある。
〈「分かりやすく言えば座長が代わったってこと。あとからいい俳優が見つかったということ」と野党と鳥越氏の関係について表現した〉
いい俳優? ネットでは、見たことのない表現だ。しかし、以上のコメントを出した有名人たちは、いずれも百万人単位の視聴者が欲しがっている言葉を口にすることでテレビに出続けている、世間の空気読みのプロである。
ということは、つまり、鳥越氏の状態を「ありえない」と感じるネットの人々や私の声は、ひねくれ者たちの雑音にすぎないのだろうか。世間はもっと素直であって、ネット上ではいつものようにノイジーマイノリティが騒いでいるだけなのだろうか。
よくないイメージだ。自分をヘイトスピーカーの方角に追い込んでいる。
こういうときは政治から距離をとろう。口をつぐんで、サイレントマジョリティの一員になり、これから何が起きるかを静かに観察したほうがいい。
ネットやテレビは刺激が多い。情報集めをするとまた何か言いたくなるかもしれないので、都知事選の話題は7月31日の投票日までの間、紙の新聞をゆっくりめくるだけにする。