ビジネス

日産の自動運転 他社の技術者はどう見ているか

いよいよ自動運転技術の実用化に踏み出す日産自動車

 日産自動車は7月13日、自動運転技術「プロパイロット」を発表した。8月にフルモデルチェンジ予定のミニバン「セレナ」に搭載するという。いよいよ日本でも本格的な自動運転時代が訪れるのだろうか。自動車ジャーナリストの井元康一郎氏がレポートする。

 * * *
 自動運転は今日の世界の自動車業界において、開発競争がもっともホットな技術のひとつだ。その自動運転というキーワードを入れた技術をライバルに先駆けて投入することは、国内市場で劣勢に立たされている日産としては勝負手とも言える策。また、自動車業界全体を見ても自動運転の商品化が今後どういう形で進むのかを占う試金石でもある。

 果たしてそのプロパイロットとはどのようなものなのか、中身を見ていこう。日産は技術発表において、高速道路の単一レーンを自動走行するためのものと説明している。具体的には長時間の高速巡航や渋滞時に前車を自動的に追尾する機能を持たせている。

 システム図を見るかぎり、単眼カメラ、ミリ波レーダー、外部情報を解析するコンピュータ、電動パワーステアリングやバイワイヤブレーキなどの技術パッケージは、今どきのステアリング制御つきクルーズコントロールと大きくかわるところはない。

 しかし、運転操作の多くをクルマ側に預けるには、それなりに多くのハードルがある。実際にどれだけ有効であるかは公道で試してみないと何とも言えないが、既存の支援システムに比べ、挑戦的な領域に明らかに一歩踏み込んできているのは事実だろう。

 日産の説明によれば、日本の高速道路によくある車線の白線が二重になっているところでも迷わされずに車線を認識できるようにするなど画像処理・解析レベルを大きく引き上げ、また高速道路のアンジュレーション(うねり)や段差のきついところを通過しても車両の安定を保ちつつ車線を守れるようなステアリング制御を持たせたとのこと。

 特定の環境下でしか機能しないシステムではなく、路面パターンが多様で、また割り込みや追い越しをする他車もたくさんいるような環境でも使えることを狙っている。

 このように、さまざまな技術進化が盛り込まれたプロパイロットだが、重要なのは、現時点では自動運転装置ではなく、あくまで運転支援システムの範囲にとどまるということだ。

 日産の言い回しも絶妙で、プレスリリースに自動運転技術とは書いてあるが、これはあくまで技術であって、システムとして自動運転をうたっているわけではない。発表会でも終始、運転支援システムであるという姿勢を崩さなかった。多くのマスメディアはこれを自動運転機能と報じたが、これは明らかに視聴者、読者ウケを狙ったものだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「大谷ファミリー」の活動指針が徐々に明らかになりつつある
《家族でハワイに行ける成長ぶり》大谷翔平が長女をインスタに掲載する「価値観の変化」…真美子さんは「教育分野に興味」
NEWSポストセブン
法定スピード以上の速度で突っ込んだ(時事通信)
《独自》内閣府公用車の9人死傷暴走事故 委託先は2年前にも永田町で公用車ひき逃げ死亡事故 運営会社と内閣府が「間違いございません」と事実関係を認める
NEWSポストセブン
「日本学術振興会賞」と「日本学士院学術奨励賞」の授賞式に出席された秋篠宮ご夫妻(2026年2月3日、撮影/JMPA)
《上品な艶がドレッシー》紀子さまの授賞式ファッション ライトブルーのセットアップで親しみやすさを演出、同系色のブローチも
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《司忍組長、84歳の誕生日会に密着》胡蝶蘭、鯛、枡酒にコンパニオンが大挙 警察、メディアが関心を寄せる「山口組重要文書」の存在
NEWSポストセブン
晩餐会での“少女漫画のようなエスコート”動画が話題に(提供:soya0801_mlb)
《独占入手》妻・真美子さんの手を優しく取って…大谷翔平、晩餐会での“少女漫画のようなエスコート”動画が話題に ファンに伝えた「ありがとう」
NEWSポストセブン
目撃者が語った“凄惨な事故現場”とは(左/時事通信フォト、右/共同通信)
「『死んじゃうよー』公用車の運転手がうめき声を…」「官僚2人は後ろでグッタリ」公用車が130キロで死傷事故、目撃者が語った“凄惨な事故現場”【高市首相、腹心の官僚】
NEWSポストセブン
若い女性たちとエプスタイン(民主党資料より)
「ひとりで楽しみ、体に触り、無理やり行為に及んだ」10代の少女らが性的搾取された“エプスタイン事件” 米司法省が新たに公開、画像や動画…300万枚の資料が示す“被害の詳細”
NEWSポストセブン
CanCam卒の注目女優宮本茉由
《CanCamモデルを卒業》不倫ドラマ主演でも話題・宮本茉由、長野県・北アルプスの麓で見せた「止まらない色気」
週刊ポスト
ラオジーのブログより(現在は削除済み)
《昨夜の子は何歳だったんだ…との投稿も》「ラオスの帝王ラオジー」ブログの不正開設の疑いで61歳の男が逮捕 専門家が明かしたラオス児童買春のいま
NEWSポストセブン
司法省がアンドリュー元王子の写真を公開した(写真/Getty Images)
《白シャツ女性に覆いかぶさるように…》エプスタイン・ファイルで新公開されたアンドリュー元王子とみられる人物の“近すぎる距離感の写真” 女性の体を触るカットも
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長。2年前の「山口組新報」では82歳の誕生日を祝う記事が掲載されていた
《ほろ酔いの山口組・司忍組長》84歳バースデーカラオケ大会で歌われた「昭和歌謡の名曲」 “七代目誕生”には言及なし
NEWSポストセブン
全米野球記者協会ニューヨーク支部主催のアワードディナーに出席した大谷翔平と、妻・真美子さん(左/時事通信フォト、右/提供:soya0801_mlb)
《真美子さんが座る椅子の背もたれに腕を回し…》大谷翔平が信頼して妻を託す“日系通訳”の素性 “VIPルーム観戦にも同席”“距離が近い”
NEWSポストセブン