芸能

朝ドラで唐沢演じるカリスマ編集長 「天才」と元部下回想

唐沢寿明演じる花山伊佐次編集長

 視聴率好調が続くNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』。舞台が戦後に変わり、これから小橋常子(高畑充希・24才)が出版社を興す姿が描かれていく。

 常子が出版社立ち上げに動く中、いよいよ“もうひとりの主役”が登場してきた。唐沢寿明(53才)演じる花山伊佐次。『あなたの暮し』の編集長として、常子の“魂のパートナー”となっていく人物である。

 彼のモチーフになったのは、66才で亡くなるまで『暮しの手帖』編集長を務めた花森安治さん。同誌の元編集部員・小榑雅章さん(78才)が振り返る。

「自分で取材してほとんどすべての文章を書き、表紙のデザインと絵、記事のレイアウトや挿絵も全部やる。まさに天才でした」

 劇中の花山はかつて内務省宣伝部に勤め、戦意高揚に加担したことへの呵責から当初、出版に携わることを拒否するが、花森さんも大政翼賛会宣伝部員としてポスターや標語の制作に携わった。そのため常子のモチーフ・大橋鎭子さんと創刊の時に“戦争反対”を誓い合い、人々の暮らしをよくする雑誌作りに打ち込んだ。

 一方で、その思いが強すぎるために「頑固」「癇癪持ち」などと評されることも。花山と常子の初対面では、花山が常子を怒鳴りつけるシーンがあった。

 元編集部員の唐澤平吉さん(67才)が語る。

「仕事に関しては厳しい上司で、私もよく叱られました。入社してすぐの頃、“『暮しの手帖』1冊分のプランを出せ”と言われたこともありました」

 粗悪な商品から人々の暮らしを守るために始めた「商品テスト」の企画も花森さんの発案。公正を保つためにテストに使う商品は必ず正規の値段で買い、スポンサーからの圧力を受けないよう広告を一切載せなかった。

 石油ストーブの商品テストでは、こんなことがあった。

 編集部は実験の結果、石油ストーブが倒れて火が出たとき、“水をかければ消える”と発表したが、東京消防庁は“水をかけると火が広がる”と反論。60回のテストの末、編集部に軍配が上がった。

 鎭子さんとはどんな関係だったのか。小榑さんが言う。

「ふたりはまさに補いあう関係でした。花森さんが雑誌作りのほとんどを自分でやってしまう一方、鎭子さんの原稿をもらってくる能力は並外れていました。鎭子さんは、人に好かれるというか、相手の気持ちにするすると入っていける不思議な能力の持ち主でしたね」

 そんな2人の関係が劇中でどんなふうに描かれるのか。今後の展開から目が離せない。

※女性セブン2016年7月28日号

関連記事

トピックス

長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
古谷敏氏(左)と藤岡弘、氏による二大ヒーロー夢の初対談
【二大ヒーロー夢の初対談】60周年ウルトラマン&55周年仮面ライダー、古谷敏と藤岡弘、が明かす秘話 「それぞれの生みの親が僕たちへ語りかけてくれた言葉が、ここまで導いてくれた」
週刊ポスト
小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン