このような両国の関係悪化は他の高官交流にも影響を与えている。7月14日に開催予定だった中国共産党対外連絡部の宋濤部長(閣僚級)と韓国京畿道の南景弼知事の会談が中国側の要請によりドタキャンとなったのだ。両国間の閣僚級会談の直前でキャンセルされるのは極めて異例。これについて、韓国メディアは「韓国政府のTHAAD配備決定に中国側が強い不快感を示しているため」と伝えている。
さらに、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の副総裁を務めていた韓国産業銀行会長の洪起沢氏が6月27日に突然6カ月間の休職を申し出、そのまま辞任することになった。洪氏は今年2月に副総裁に就任したばかりだったが、今回の辞任は韓国企業の粉飾事件に絡んでのことで、純粋な国内問題だった。しかし副総裁辞任にまで至ったのは中国の強い意向が働いたと伝えられている。しかも、後任の副総裁は韓国ではなく、フランス人が起用された。韓国はAIIBに4兆ウォン(3728億円)も出資しているのに、である。
これについて、韓国の代表紙「中央日報」は「露骨な韓国外し」であり、中国側が韓国はTHAADを配備しないだろうとの「行き過ぎた期待を抱いたのならば、失望を招く」のは当然だと反発している。
ネット上では、「韓国は本来、西側陣営なのに、右顧左眄(うこさべん)して、中国の歓心を引こうとするからだ。まさに中韓両国は同床異夢の典型だ」との辛辣な指摘がなされている。