今年はウルトラマンの放送開始50周年だ。それを記念して、「サンシャインシティ」では、「ウルトラマンフェスティバル2016」が開かれいている。責任者は、「ウルトラマン生みの親のひとり」と言われる人の息子だ。大人力コラムニスト・石原壮一郎氏がレポートする。
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ウルトラマンが光の国からぼくらのために来てくれたのは、1966(昭和41)年のこと。今年はウルトラマンシリーズ放送開始50年となる節目の年です。現在、東京・池袋のサンシャインシティでは、26回目となった「ウルトラマンフェスティバル2016」が開催中。幼いころウルトラマンに胸ときめかせ、たくさんのことを教わってきた中年世代も、ウカウカしてはいられません。
イベントの責任者を務めるTBSテレビ文化事業部プロデューサーの飯島一彰さんも、むしろ大人にこそオススメと太鼓判を押します。
「今年のウルフェスのキャッチフレーズは『リアルウルトラ体験!』です。自分がスペシウム光線を出している写真を撮ったり、全長8メートルを超える“実物大”のウルトラマン(肩上像)で迫力を体感したりして、『リアルウルトラマンごっこ』をお楽しみください」
私もさきほど迫力たっぷりの展示やライブステージを拝見しましたが、たしかに大人もめちゃくちゃテンションが上がりますね。「ジョワ!」と叫びながら押入れの上から飛び降りていた自分に戻れるし、大人になった今だからこそ、自分がウルトラマンから何を受け取ったのかをあらためて感じることもできます。
それはさておき、飯島さんがTBSラジオの制作部にいらした頃には「ストリーム」という番組の「コラムの花道」などで、たいへんお世話になりました。前々からお聞きしたくて、でも聞いていいものかどうか迷っていたんですが、あの元TBSの飯島敏宏さんは飯島さんのお父さんなんですよね。ウルトラマンの監督や脚本を手掛け、特撮ファンのあいだでは「ウルトラマンの生みの親のひとり」として神様的な存在であるところの。
「そ、そうなんです。神様云々は言い過ぎですけど。上司からは『最近、ウルトラマンに顔が似てきたんじゃないか』なんて言われるんですよね。ぼくは今年47歳で、ウルトラマンができたときには、まだ産まれてませんって言ってるんですけど」
いやいや、遺伝子のなせる業というかなんというか。でも、事あるごとに「えっ、あの飯島敏宏さんの息子さん!」と言われるのは、きっと嬉しくはないですよね。
「そりゃイヤでしたよ。まあでも、今はもう開き直りましたね。20代、30代のときに、会社からウルフェスの仕事をしろって言われたら、拒否してたかもしれません。この年になって、飯島敏宏という先輩クリエイターを尊敬の目で見られるようになったし、親子でウルトラマンに携われるありがたさも感じられるようになりました」