お父さんは現在83歳。今年7月に行なわれた記念イベント「ウルトラマンの日in杉並公会堂」では、元気にステージにお立ちになったそうですね。ウルトラマンが誕生して50年後に、息子がイベントの責任者を務めて自分が出演する。さぞお喜びになったかと。
「どうなんでしょう。そういうときはオヤジは、あそこはこうしたほうがいいとかあれがどうだとか、ダメ出ししかしないんですよね。お礼の言葉ですか? いやいや、そんなことを言う人じゃありません。でも、ちょっとは親孝行になったのかなとは思ってます」
親子で、ウルトラマンについて語ったりするんですか。
「そういう話も少しはするようになったのは、最近ですね。バルタン星人は、地球を侵略しに来たわけじゃないんだ、家族がテーマなんだ。物語をつくるときは、メッセージ性がないとダメ、ただ見せるだけじゃ喜ばれない。そんなことを言ってました。だからってわけじゃないんですけど、今回のウルフェスも、入口から出口までのあいだに『ウルトラマンがいる世界』のストーリーを感じてもらうことを意識しました」
無理やりなこじつけかもしれませんけど、お父さんがウルトラマンに込めたスピリッツはきっちり受け継がれているってことですね。
「またまた、石原さん、うまいことを。それはわかりませんけど、ただ、このウルフェスはTBSや円谷プロの人間が現場で入り混じって、ワイワイやりながら作り上げていっています。50年前にウルトラマンが生まれたときも、みんなでいっしょにワイワイやってたはずなんですよね。同じようなチームで同じキャラクターの50周年を盛り上げている。そう考えると感慨深いし、ウルトラマンってすごいなと思います」
考えてみたら、バルタン星人だけじゃなくてウルトラマン自体が、家族や親子をテーマにした物語と言えます。というわけで、放送開始50年を迎えたウルトラマンの背景には、リアルな親子鷹の物語がありました。ファンにとっても感慨深いし、そういうことを知った上で「ウルフェス」を訪れれば、味わい深さもひとしおでしょう。いや、よそ様のお家の親子関係を肴に勝手に楽しませてもらって恐縮ですけど。
開催は8月28日(日)まで。会場には、親子連れに混じって中年ファンの姿も少なくありません。ちなみにですが、会場のスタッフは科学特捜隊風のコスチュームに身を包んでいて、とくに女子のその姿はスペシウム光線並みの破壊力です。入場料や展示内容、限定グッズなど、詳しくは「ウルフェス」で検索を。