誰だっておだてられれば悪い気はしないが、客観的に見ていると、あまり気持ちが良いものではない。埼玉県の主婦Yさん(63才)が夫の恥ずかしい姿を明かす。
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大企業Mの孫会社で、専務になって定年した夫(68才)。月に1度は、元部下とゴルフをしていたんだけど、「専務、お迎えにあがりました」と玄関で声をかけられると、上機嫌。近所に聞こえる大きな声で、「今は専務じゃないんだから勘弁してくれよ~」って。
で、そこからがしつこい。「しかし何でオレみたいな男をMは専務に選んだかな~。何でだと思う?」
「そりゃあ、専務ほど仕事ができる人は、いませんから」と言う元部下も人が悪いけど、「そうかなぁ~。何でかな~」と、夫は夫で、何度も違うお世辞を言わせるんです。
見ていられないから、元部下に「これでみんなでお茶でも」と、こっそり現金を手渡していたわ。だけど先日、それを忘れたの。
当然ね。「あいつら、最近忙しいってゴルフの予定、入れないんだ」ですって。
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一方、山梨県のパート勤務の女性Hさん(61才)の夫は、微妙な特技を自慢してくるという。
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若い頃、ハワイアンをかじったという夫(70才)は、現役時代はまじめなエンジニア。それが今や友達から電話がかかってくると何オクターブも高い声を出して「よ~ぅ、元気してるか~い」。で、お酒も飲めないのに、手にはウクレレを持って、真っ赤なハイビスカス模様のアロハシャツを着こんで、居酒屋に出かけていく。
本人はいっぱしのバンドマン気取りみたい。だけど、その居酒屋でパートしている友達が言うんだわ。「ダンナさん、ウクレレもいいんだけど、毎度毎度、『ああ、やんなっちゃった』を、何回も弾くからちょっとねぇ」と。ウーロン茶1杯500円しか使わない客なんか、いらないと言わんばかり。
「あの店で、楽器できるのはオレくらいだ」と鼻をぴくつかせている夫には、とても聞かせられないわ。
※女性セブン2016年9月15日号