9月に入り、夏の猛暑と強い日差しは一段落。サングラスに日傘はちょっと大げさだし、日焼け止めだけ塗って買い物に行こうかしら…と思ったあなた、ちょっと待った! 日焼け止めを塗りたくって必死に肌を守っても、目の紫外線対策を怠ると、目の充血や濁りだけでなく、白内障まで引き起こす可能性があるというのだ。
では、健康と美容のために、どうやって紫外線から目を守ればいいのだろうか。中目黒眼科院長の杉本由佳さんは「特に注意が必要なのは、太陽の位置が低い朝と夕方」と解説する。
「昼は頭上からふりそそぎますが、朝や夕方は斜め40度くらいの角度から直接目に紫外線があたります。室内にいるからと安心しがちな車の運転中も、正面から日差しが入るので危険です」(杉本さん)
それゆえ「サングラスをかけ、紫外線を遮断することが大事」とアドバイスする。
「高いものでなくてもいいので、UVカットがほどこされたサングラスをかけましょう。特に朝夕は必須で、ベランダに出る短時間でもかけたほうがいい。コンタクトなどで目が傷ついている時は紫外線を普段の3倍ほど取り込むので、より注意しましょう」(杉本さん)
レンズの色が暗いものは瞳孔が開き、紫外線を取り込みやすくなるので、暗すぎないものを。また、レンズが小さいと横から紫外線が入ってしまうので、レンズが大きく顔にフィットしたものがいい。
外で過ごす時間が長い子供も、常に紫外線の危険にさらされている。金沢医科大学眼科学教授の佐々木洋さんは「瞼裂斑は小学校3年生くらいから出始める場合もある」と言う。
「ただ、子供にサングラスは現実的ではないので、UVカットレンズのついためがねがいいでしょう。サングラスと違って横から少し紫外線が入りますが、レンズ自体の効果は同じです。めがねの機能は視力調整だけではありません。紫外線から目を守る道具として使いましょう。コンタクトの人は、UVカットのソフトコンタクトレンズを使ってください。ツバが7cm以上の帽子を併用するとさらに効果的です」(佐々木さん)
とはいっても、対策を忘れて出かけてしまい、目が焼けたと感じる時もある。そんな時は、「日焼けをクールダウンしようとせず、逆に温めてほしい」と杉本さんは言う。