今期は刑事ドラマが多く、なんと11作もある。“視聴率が取れるのは刑事ドラマだけ”などと言われるようになって久しいが、刑事ドラマが支持される背景には、「現実では善人が損をし、悪が得をするという不正がはびこっているからではないか」と分析するのは、ドラマライターの木俣冬さん。
「現実でなんだかもやもやした気持ちになっているのをドラマの中で刑事たちがヒーローのように解決していく。もちろん刑事が悪に手を染めていたというケースもありますが、“事件を解決する”という道筋がしっかりしている分、さまざまな人間模様で肉づけしやすい」(木俣さん)
そのうえ、現実での刑事の仕事が謎のベールに包まれているというのも、刑事ドラマに魅せられる要因だというのは、ドラマに詳しい漫画家のカトリーヌあやこさん。
「刑事ドラマを見ているおかげで、現実社会で事件が起きたときに、“今、警察の中ではこんなことが行われているのでは?”と推測できる。警察の仕事が私たちにとって身近ではない分、ドラマの刑事たちに感情移入できる。それも刑事ドラマの魅力です」(カトリーヌさん)
※女性セブン2016年10月13日号