芸能

「2つの真田丸」論争 三谷幸喜氏が選んだのはどっちだ

「最後の戦い」の舞台はどうなる?(『真田丸』公式HPより)

 クライマックスを迎えるNHK大河ドラマ『真田丸』でついに、“あの論争”の答えが出されることになりそうだ。大坂冬の陣で築かれた前線基地・真田丸は一体どんな姿で描かれるのか。

 ストーリーは真田幸村(信繁、堺雅人)たちが九度山での蟄居生活を脱し、徳川家康(内野聖陽)を迎え撃つべく、大坂城に馳せ参じた。史実では慶長19年(1614年)の「大坂冬の陣」とその7か月後の「大坂夏の陣」の2つの戦いで幸村は獅子奮迅の活躍で徳川勢を翻弄するが、その戦いを描くにあたり、大坂城の前線基地であり、大河のタイトルにもなっている“真田丸”がついに登場するのだ。

 となると、注目されてくるのが、本誌が何度か取り上げてきた「2つの真田丸」論争だ。真田丸については、形や場所、機能の面から大きく分けて2つの説がある。歴史研究家である井手窪剛氏が解説する。

「真田幸村は、大坂城の一番外側の守りである惣構のお堀の南側に砦を築きます。これが『真田丸』です。もともとは、諸大名が残した絵図をもとに、外堀から張り出すような格好の半円形だったと考えられてきました。『馬出し』構造と呼ばれる簡易的な砦だったとする考え方です。

 一方で近年、真田丸はもっと堅牢で巨大な城(出城)だったとする新説が、城郭考古学の専門家・千田嘉博奈良大学学長から提唱されます。広島藩浅野家に残された絵図『摂津真田丸』や地形図などをもとに、堀から少し離れた場所に独立して作られた四角い城だったと考えたほうが合理的だとする考え方です」

 この新説を大々的に取り上げたのが、大河ドラマ『真田丸』の第1話放送を目前に控えたNHKだった。『歴史秘話ヒストリア』(今年1月6日放送)では、航空写真の解析や地下の地形のレーダー探査、現地踏査を重ね、「新説」のインパクトを強調する演出がなされていた。番組HPにはこうある。

〈400年の時を超え、よみがえった“真田丸”の姿。それは、これまで考えられていたような、大坂城に付随する“小さな陣地”というイメージを覆す、もうひとつの独立した城の姿だった〉

関連記事

トピックス

公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
NHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の打ち上げに参加したベッキー
《ザックリ背面ジッパーつきドレス着用》ベッキー、大河ドラマの打ち上げに際立つ服装で参加して関係者と話し込む「充実した日々」
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《噂のパートナーNiki》この1年で変化していた山本由伸との“関係性”「今年は球場で彼女の姿を見なかった」プライバシー警戒を強めるきっかけになった出来事
NEWSポストセブン
デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン