芸能

加山雄三の限りない好奇心 油絵、陶芸、書道、ゲームまで

画業20周年の展覧会では80作品を展示予定

 上原謙と小桜葉子の俳優夫婦の間に生まれた加山雄三(79)は、「若大将」シリーズをはじめ、黒澤明監督の『椿三十郎』『赤ひげ』に出演するなど、若くして銀幕のスターとなった。しかし、近年「俳優・加山雄三」を見かけることがない。

「僕は、人生そのものを演じていると思って生きてきました。今、自分の人生を演じるためにメインにしているのは、大好きな音楽であり、絵を描くことなんです」(加山、以下「」内同)

 そんな加山の目下のお気に入りのドラマは、『ドクターX~外科医・大門未知子』と『相棒』。毎回欠かさず番組を録画するほどのファンだという。日々好きなことに没頭する毎日。順風満帆に見える人生だが、暗い過去もある。小学生の頃に辛い時期があったというのだ。

「破れたズボンを穿いた子供たちが、テニスの軟球を使って竹バットで野球をしていた時代に、僕はとても恵まれた環境にいました。いつも身綺麗にしているから周囲から浮いてしまって、いつの間にか仲間外れに。教室にひとり残って、ノートの端に絵を描いているような子供でした」

 今年、画業20周年を迎える加山の絵の原点は、子供の頃に描いた同級生の似顔絵だった。

 ある日のこと、暇つぶしに似顔絵を描いていると、その出来栄えが評判になり頼まれるようになった。いじめられっ子は、一転して行列のできる似顔絵画家になった。その後、音楽にのめり込んだり、大好きな海を渡るべく船の設計図を書き始めたりと、旺盛な好奇心は留まるところを知らない。

「谷村新司さんに教わった陶芸や、気持ちが落ち着くので書道も続けています。料理も大好きで、レパートリーは200種類以上。ゲームは『バイオハザード』や『ファイナルファンタジー』『鬼武者』あたりを夜中までやっています。

 携帯もスマホに替えましたし、好奇心が旺盛で新しいものが大好き。しかも、全部極めたい情熱を抑えることができない性分。これだけは昔からずっと一貫していますね」

●かやま・ゆうぞう/1937年、神奈川県横浜市出身。1960年に映画『男対男』でデビュー。翌年、若大将シリーズ第1弾『大学の若大将』に主演。1962年、黒澤明監督『椿三十郎』、1965年同『赤ひげ』に出演。同年リリースの『君といつまでも』がレコード大賞特別賞を受賞。2014年に結成したTHE King ALL STARSでフジロックフェスティバルに出演。今年、画業20周年を迎えた。「画業20周年記念 加山雄三アートの世界展」が10月27~30日/大丸心斎橋店北館14階イベントホール、11月23~28日/高島屋日本橋店8階特設会場で開催される。

■取材・文/小野雅彦 ■写真/加山プロモーション

※週刊ポスト2016年11月4日号

あわせて読みたい

関連キーワード

関連記事

トピックス

ハワイ別荘の裁判が長期化している(Instagram/時事通信フォト)
《大谷翔平のハワイ高級リゾート裁判が長期化》次回審理は来年2月のキャンプ中…原告側の要求が認められれば「ファミリーや家族との関係を暴露される」可能性も
NEWSポストセブン
今年6月に行われたソウル中心部でのデモの様子(共同通信社)
《韓国・過激なプラカードで反中》「習近平アウト」「中国共産党を拒否せよ!」20〜30代の「愛国青年」が集結する“China Out!デモ”の実態
NEWSポストセブン
裁判所に移されたボニー(時事通信フォト)
《裁判所で不敵な笑みを浮かべて…》性的コンテンツ撮影の疑いで拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26)が“国外追放”寸前の状態に
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《自宅でしっぽりオフシーズン》大谷翔平と真美子さんが愛する“ケータリング寿司” 世界的シェフに見出す理想の夫婦像
NEWSポストセブン
山上徹也被告が法廷で語った“複雑な心境”とは
「迷惑になるので…」山上徹也被告が事件の直前「自民党と維新の議員」に期日前投票していた理由…語られた安倍元首相への“複雑な感情”【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカの人気女優ジェナ・オルテガ(23)(時事通信フォト)
「幼い頃の自分が汚された画像が…」「勝手に広告として使われた」 米・人気女優が被害に遭った“ディープフェイク騒動”《「AIやで、きもすぎ」あいみょんも被害に苦言》
NEWSポストセブン
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(時事通信フォト)
《潤滑ジェルや避妊具が押収されて…》バリ島で現地警察に拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26) 撮影スタジオでは19歳の若者らも一緒だった
NEWSポストセブン
山上徹也被告が語った「安倍首相への思い」とは
「深く考えないようにしていた」山上徹也被告が「安倍元首相を支持」していた理由…法廷で語られた「政治スタンスと本音」【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
不同意性交と住居侵入の疑いでカンボジア国籍の土木作業員、パット・トラ容疑者(24)が逮捕された(写真はサンプルです)
《クローゼットに潜んで面識ない50代女性に…》不同意性交で逮捕されたカンボジア人の同僚が語る「7人で暮らしていたけど彼だけ彼女がいなかった」【東京・あきる野】
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(Instagramより)
「球場では見かけなかった…」山本由伸と“熱愛説”のモデル・Niki、バースデーの席にうつりこんだ“別のスポーツ”の存在【インスタでは圧巻の美脚を披露】
NEWSポストセブン
モンゴル訪問時の写真をご覧になる天皇皇后両陛下(写真/宮内庁提供 ) 
【祝・62才】皇后・雅子さま、幸せあふれる誕生日 ご家族と愛犬が揃った記念写真ほか、気品に満ちたお姿で振り返るバースデー 
女性セブン
村上迦楼羅容疑者(27)のルーツは地元の不良グループだった(読者提供/本人SNS)
《型落ちレクサスと中古ブランドを自慢》トクリュウ指示役・村上迦楼羅(かるら)容疑者の悪事のルーツは「改造バイクに万引き、未成年飲酒…十数人の不良グループ」
NEWSポストセブン