昼食後2分は歩く。これが大事。血糖値スパイクは心筋梗塞や脳梗塞やがんになりやすくする。たった2分の歩行が血糖の急激な上昇を防いでくれる。糖尿病の予防にもなる。昔は食後は休めと言われたが、食後は運動のゴールデンタイム。数分の軽い運動でいい。2分の積み重ねで一日20分の運動を確保できる。
休日に日頃の運動不足を解消するには、「3分間のオソ走り」をお勧めする。軽い「速歩」に近い時速5キロぐらいのジョギングだ。がんばらない主義のカマタ流だ。
次の3分間はゆっくり歩いて呼吸を整えたり、周囲の風景を楽しんだりする。これを交互に繰り返し、合計時間が20分以上になれば、立派な運動になる。
ぼくは最近、ホテルを利用する時、ジムで運動するようになった。心肺機能が高まり、足の筋力もついてきたので、時速5キロくらいのゆっくりジョギングと、時速3.5キロくらいのゆっくり歩きを交互に行なっている。駅への移動も、駅の構内でも、急に小走りになったり、ゆっくり歩きをしたりしている。キラーストレスで心筋梗塞や脳卒中で死なないために、一番の処方箋は運動だ。
筋肉を鍛えることは、ロコモティブシンドロームや筋肉のフレイル・虚弱を防ぐためにも重要だ。これらは日本人の寝たきりの主な原因となっている。また、運動習慣は、がんや認知症、生活習慣病の予防にも有効であることが知られている。まずは「3分間のオソ走り」からはじめてもらいたい。
●かまた・みのる/1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任。現在同名誉院長。チェルノブイリの子供たちや福島原発事故被災者たちへの医療支援などにも取り組んでいる。近著に、『「イスラム国」よ』『死を受けとめる練習』。
※週刊ポスト2016年11月11日号