応援上映に魅了され、200回以上も通うリピーターがいるというキンプリ。上映される作品は同じだが、作品に対するお客さんの声援やツッコミは毎回異なるため、何度でも劇場に足を運びたくなるのだ。
「物語に登場するはちみつにちなんで周囲の人にはちみつキャンディーを配ったり、どのキャラクターが好きか話したりと、コミュニケーションも多く生まれています。
キンプリの応援上映を通して友達ができたと、喜んでいるお客さんも非常に多いんですよ」
これまで声出し可能な上映は、キンプリのような歌やダンス、バトルシーンのあるアニメの劇場作品で行われることが多かった。しかし、最近は実写映画でも取り入れられている。
冒頭でも紹介した『シン・ゴジラ』の応援上映は庵野秀明総監督の提案によって実現した。東宝では応援上映を実施した前例はなく、実写映画なので不安もあったというが、心配をものともせず、応援上映は大盛況。
「人気のシーンに登場する在来線の電車やコピー機のかぶり物など、われわれスタッフも驚くコスプレをしているファンもいらっしゃいました」と、東宝宣伝部のスタッフ。
上映中は石原さとみ演じるカヨコ・アン・パタースンの「ZARAはどこ?」というセリフに対して「新宿にあるよ~!」と答えたり、ゴジラを凍結させるために血液凝固剤をのませるシーンで「イッキ! イッキ!」というコールが起こるなど、ユニークな合いの手で盛り上がる。
「サイリウムの色をゴジラ登場時は赤、自衛隊との戦闘シーンでは緑、ゴジラの熱線放射シーンでは紫と変化させていたのも印象的です。お客さんの作品への熱い想いを感じ、発声可能上映は『シン・ゴジラ』に合っていたんだと感動しました」
※女性セブン2016年11月17日号