ライフ

80歳現役医師が語る 我慢しない「飲酒術」とは

80歳現役医師が語る、我慢しない「飲酒術」

 お酒を飲んだ後のシメにはお茶漬けや雑炊、ラーメンなど炭水化物を選びがちだが、それらは血糖値を一気に上昇させ糖尿病リスクが高まる。それでも食べたければどうすればいいのか。管理栄養士の白鳥早奈英氏はこうアドバイスする。

「血糖値を急上昇させない蕎麦を推奨します。とろろ蕎麦やなめこ蕎麦など、食物繊維を豊富に含んだメニューに変えることで、より血糖値の上昇を抑えられます」

 このように飲み方を注意するだけで酒のリスク要因は少なくなる。そもそも酒は全く飲まないよりは「適度に飲む」ほうが長生きできるというデータもある。久里浜医療センター・臨床研究部長の横山顕氏が言う。

「日本人男性を対象にした厚労省の研究では、1日1合(ビール中瓶1本)未満、1週間で7合未満のお酒を飲む人は、全く飲まない人より長生きするとのデータが報告されています」

 海外にはこんな研究報告もある。米国ボストン在住の内科医・大西睦子氏がいう。

「米ハーバード公衆衛生大学院の研究によると、適度な飲酒は2型糖尿病や胆石の予防、さらに認知症のリスクを下げる効果のあることが示されています」

「適度な飲酒量」は国によってバラつきがあるが、厚労省の定める適正量はビールで中瓶1本、日本酒で約1合程度。この飲酒量を守れば、がんをはじめ様々な病気のリスクは軽減されるということになる。

 さらに「量を気にする必要はない」という医師もいる。帯津三敬病院名誉院長の帯津良一氏が語る。

「私は80歳ですが、毎晩の晩酌は約2時間かけてビール大瓶1本と焼酎などをロックで2~3杯空けます。厚労省の定めた適度な飲酒量は、万人共通じゃない。厚労省基準でいえば、私は完全にアウト(笑い)。数字ばかり気にして、好きな酒を無理に控えて逆にストレスを抱え込むのは本末転倒です。

 二日酔いや悪酔いしない量がその人にとっての適量。我慢せず、旨い酒を楽しく飲むことで免疫力が上がり、がん細胞を殺すナチュラルキラー細胞が活性化するとの研究結果もあるのです」

 酒を「百薬の長」にするも「毒」にするも、すべては飲む人次第なのだ。

※週刊ポスト2016年11月25日号

関連キーワード

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン