ライフ

塩分摂取がなぜ高血圧の最大の要因とされるようになったか

塩分摂取量と高血圧の間に明確な因果関係はない

「塩分摂取量と高血圧の間に明確な因果関係はない」「日本人の平均摂取量である10~12グラムなら問題ない」──これらの事実をデータとともに提示した本誌・週刊ポスト前号の特集には、読者から驚きの声が多数寄せられた。高血圧を患う70歳男性の話。

「『東北地方の人は漬け物などで塩分を過剰に摂取しているから血圧が高い』という、よく耳にする話を何十年も信じていました。が、その理論が30年も前に否定されていたなんて知りませんでした……」

 これまで厚労省が『日本人の食事摂取基準』(2015)で掲げる基準値(1日あたりの塩分摂取量が男性8グラム、女性7グラム)を律儀に守ってきた人たちは動揺を隠せない。

「初めて健康診断で高血圧気味だといわれてから、10年以上も妻が作る味気ない減塩食に耐えてきました。今までの努力はなんだったのか。たしかに減塩してもなかなか血圧は下がらなかった。かといって、塩分が原因じゃないとすればどうやって血圧を下げればいいのか」(66歳男性)

 そこで、今号は前号ではお伝えしきれなかった「塩分と血圧に関する新常識」を紹介する。

 改めて説明すると、高血圧とは血圧が持続的に上昇した状態を指す。収縮期(上)が140mmHg以上、拡張期(下)が90mmHg以上ならば高血圧と診断され、放置すれば動脈硬化を引き起こす。脳卒中、心臓病など死に至る病につながる可能性もある。

 塩分が体内に取り込まれると、血中の塩分濃度を薄めようと血液内に水分を取り込むために、血液の量が増えて血圧が上がる。そのため塩分が短期間血圧を上昇させることは間違いない。しかし、健康であれば摂取した塩分は尿や汗として排出されるため、血圧の上昇は一時的なもので収まる。

関連キーワード

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン