ビジネス

労働力人口減少と経済成長は無関係、高齢化は技術革新の元

高齢化はイノベーションの元(写真:アフロ)

 人口減少・高齢化による日本経済の衰退を不安視する向きは多い。だが、立正大学教授の吉川洋氏は「労働力人口の減少と経済成長は無関係」と、社会に蔓延する悲観論を一蹴する。

 * * *
 現在約1億2700万人の日本の人口は、ある試算では2110年に4286万人まで減少する。今後、社会保障、国家財政、地方過疎など様々なリスクが増大することになる。

 しかし、「日本はこの先、人口が減るから経済は右肩下がりになる」という悲観は間違いだ。先進国において、労働力人口の増減と、1国で1年間に作られるモノやサービスの付加価値の総計を表すGDP(国内総生産)は無関係なのである。

 実際、日本経済は高度成長期(1955~1970年)に年約10%成長したが、この間の労働力人口の伸びはわずか年1%ほどだった。それでは何が、差し引き9%の成長を支えたのか?

 その答えは、「労働生産性の上昇」である。すなわち、1人あたりの労働者が作り出す付加価値が増えれば、経済は成長するのだ。

 労働生産性の上昇をもたらすものこそ、広い意味での「イノベーション」(技術革新)に他ならない。

 労働力人口と経済成長を結びつける者は、ツルハシやシャベルを持った労働者が額に汗して働くイメージを持つ。確かにこの工事現場では、労働者の数が工事の進捗に直結するだろう。

 しかし、先進国では、ツルハシとシャベルの現場にブルドーザーやクレーンというイノベーションが起き、100人で行っていた仕事が10人でできるようになった。新しい機械の発明、それへの設備投資、さらに労働者の技術力向上があいまって、生産性が上昇して経済は成長するのである。

 人口減と共に進行する超高齢化も実は日本にとって大チャンスとなる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

年越しはイスタンブールで過ごした渚さん(Instagramより)
「生きてみるのも悪くない、とほんの少し思えた」 渡邊渚さんが綴る「年越しを過ごしたイスタンブールの旅」
NEWSポストセブン
総選挙をきっかけに政界再編が大きく進むか(時事通信フォト)
《解散総選挙・政界大再編の胎動》自民も立憲も国民も分裂か “高市首相を中心とした急進保守勢力”と“自民党の穏健保守を含む中道・リベラル勢力”に大きく分かれていく流れ
週刊ポスト
再選を果たした小川晶氏(時事通信フォト)
ラブホ密会辞任の小川晶氏、前橋市長選に再選 オバ記者が気になったのは“やたら支持者とハグしていたこと”「地方の年配者は“オレに抱きついてきた”と勘違いしないかしら」
女性セブン
Netflixドラマ『地獄に堕ちるわよ』にて細木数子さん役を演じる戸田恵梨香(時事通信フォト)
《出産から約3年》女優・戸田恵梨香の本格復帰が夫婦にとって“絶妙なタイミング”だった理由…夫・松坂桃李は「大河クランクイン」を控えて
NEWSポストセブン
高市早苗・首相と政策が近い保守政党が自民党の“反高市”候補に刺客を立てる可能性も(時事通信フォト)
《政界再編のきっかけとなる総選挙》保守政党が自民党内の“反高市”候補に刺客 高市首相を中心に維新、参政、日本保守党などが新たな保守勢力結集に向かう動き
週刊ポスト
月曜夜に放送されているフジテレビ系『ヤンドク!』(インスタグラムより)
《元ヤンキーの女性医師も実在!?》『ヤンドク』『夫に間違いありません』『パンチドランク・ウーマン』、テレビ局が“実話ベースのオリジナル”を制作する事情 
NEWSポストセブン
宮崎あおいと岡田准一の円満な夫婦仲(時事通信)
《女優・宮崎あおいと4児の子育て》岡田准一「週6ジム通い」の柔術ライフを可能にする“夫婦円満”の秘訣
NEWSポストセブン
佐藤輝明とはいえ“主力”で起用されるとは限らない
《WBC侍ジャパン》阪神・佐藤輝明の不安要素 控え起用が濃厚で、前回大会の山川穂高や牧原大成と重なる立ち位置 憧れの大谷翔平から“どんな影響を受けるのか”も重要に
週刊ポスト
中国のインフルエンサーであるチョウ・ユエン(46)(SNSより、現在は削除済み)
「カラダでX字を描くの」 “性教育の達人”中国美熟女インフルエンサーが5億円超を稼いだ“過激セミナー”の内容とは《性産業を取り巻く現地の厳しい環境》
NEWSポストセブン
ガールズバー店長の鈴木麻央耶容疑者(39)とその右腕、田野和彩容疑者(21)
【写真入手】「1週間おなじ服で、風呂にも入らせずに…」店員にGPS持たせ売春、性的暴行も…ガルバ店長・鈴木麻央耶容疑者(39)の「“裸の王さま”ぶり」
NEWSポストセブン
フリースタイルスキー界のスター、アイリーン・グー選手(時事通信フォト)
《腹筋ビキニ写真が“完璧すぎる”と評判》年収35億円の中国美人アスリート(22)、“キス疑惑密着動画”で〈二面性がある〉と批判殺到した背景【ミラノ冬季五輪迫る】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市「改憲」爆弾と「石破茂中道入り」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市「改憲」爆弾と「石破茂中道入り」ほか
NEWSポストセブン